バッテリ−の話

  1. バッテリ−の寿命
  2. 長持ちさせる為には
  3. メンテナンス・フリ−の意味

1.バッテリ−の寿命

従来のバッテリ−には

の二種類に大別できます。
亜鉛極板が電解液である希硫酸と反応するプロセスで電力を蓄積するので、この電解液が入れられた時が製品としてのお誕生日になりますから、「即使用可能」のバッテリ−は購入の際この「お誕生日」を確認するのが賢い買い方です。

メンテナンスフリ−・バッテリ−は、当然この電解液充填済みのタイプになりますから保証期限の内容も確認されるのがベタ−です。トヨタの販売店で取り扱っているAC−Delcoの場合は「購入から2年5万キロ」という保証がついていたと思いますので保証内容としては抜群だった記憶です。

バッテリ−の寿命に関しては通常の使用ならば2年は間違いなく保つものですが、先ほどの話で工場出荷時点から購入取り付けまでの経過期間は短い方が良い訳です。

 

2.長持ちさせる為には

取り付ける前に「補充電」を行うのが一番賢いやり方です。
これは「液別」のタイプでも「液入り」のタイプでも必要なことで、最初に放電する前に満タンにして置いた方がバッテリ−に与える負荷を最小に出来る為です。

大抵の場合、バッテリ−の最初の仕事はエンジンのスタ−トですよね。
ディ−ゼルは言うに及ばずガソリン車の場合もスタ−タ−の負荷はバッテリ−にとって最大の負荷になります。それはスタ−タ−の電源コ−ドが極太級を使用していることを見ても明らかなように、一度に大量の電流が流れます。

スタ−タ−自体は小さなモ−タ−に見えますが構造的にはその先端部にあるスタ−タ−・クラッチという強力な電磁石がベベルギア部をフライホィ−ルへと押し出して、尚且つ重たいフライホィ−ルを回してクランキングする事でエンジンをかける訳ですからかなりの重労働になることはお分かり頂けると思います。

ディ−ゼルの場合はこの前に「プリヒ−ト」という重要な発熱作業がある為、スタ−ト前のこの準備作業段階にも大きな電流を必要とします。
プリヒ−ト中にスタ−タ−を作動させる事は無駄であり、バッテリ−にとっては必要以上の電流を瞬間的に大量放出する事で大きなダメ−ジを与える事になりますから充分気をつけて下さい。

 


バッテリ−は「急速充電」いわゆる「クイック」でチャ−ジされる事が多いのですが、これは突然バッテリ−が上がってしまい「急を要する」ために仕方なく「クイック」でサ−ビスを受ける事になります。

「クイック」というのは約30分から1時間の間20A以上の大量の電流を押し込む事で言わば無理矢理元気にする作業で、バッテリ−の極板にとっては疲労の進む原因となりその分寿命は短くなります。

それに対して「スロ−」でチャ−ジすればその分悪戯に寿命を短くせずに済む訳です。
「スロ−」というのはバッテリ−の容量に対して5時間率なり10時間率といった表示に従い、その規定量の電流を少量ずつ長時間かけて優しく入れてやる方法です。
例えば63Aの容量に対して10時間率6.3Aを10時間かけて充電するといった事になりますが、簡易型の小さなチャ−ジャ−は実際の表示能力よりもかなり下回るのが普通で、それは数値的なスペックだけでは現せない「能率」の問題のようです。
つまり、大型の余裕ある充電器から流れる安定した電流は能率良く蓄電池に貯えられるという事ですが、日頃の補充電のレベルならば簡易型の物でも充分意味があると思います。
何れにしろバッテリ−上がりにしてしまう事がバッテリ−にとって大きなダメ−ジになりますから「上がらないように」日頃から気をつけるのが一番良い事になります。


冬の朝一番、エンジン始動のトラブルが多い事のよく知られているように、低温はバッテリ−の能力を下げる要因になります。
オイルの粘度も関係しますが「0−1」の使用はこの部分でもかなりの効果を発揮します。つまり良く滑る事はスタ−タ−の負荷も減らし、同様にバッテリ−への負荷も軽減する訳です。ドライスタ−トによる金属摩耗を激減する事は別のところでもご説明している通りです。

「乾電池は冷蔵庫で保管するのがベタ−」という話はウソかホントか?

これは低温下でバッテリ−の内容物が「不活性化」する事を利用した保存の為の「寿命延命」の思索ですが、

そんなのウソだよ!!という話もあります。(^^
「乾電池冷蔵庫に入れるんジョーシキちゃうんっ!??」
という関西弁が耳に馴染むので
西日本の常識、東の非常識・・・

乾電池のメーカーは否定しているそうです、
新品のアルカリ電池を購入すると生存保証期限が打刻されるようになって久しいです
常温保管でかなりの生命力を維持する性能を持っているといっているわけですね。

この場合、冷蔵したら使用する前に「常温に戻るまで放置してから」使用するそうです。

つまり、低温で不活性化したまま放電させると目覚めないまま昇天〜〜、そのままダウンしてしまう為、
常温に戻してから使用する訳ですが、人間が寒いと感じる温度帯ではバッテリーの活性が下がるのも事実です
最近の携帯バッテリーなどは極寒酷暑環境でも殆ど問題なくて驚きますが
従来型の車のバッテリ−の場合は費用対効果の部分もあって最先端最精鋭ほどのものは要求されていないでしょう、
昼になるまで待つ訳にはいきませんから
この「不活性化」して「能力の下がった」状態でスタ−タ−を回す訳で、
もともとがカゼでもひいた状態ならばそのまま「重体」や「危篤」の状態になり得る訳です。

 

エアコンの使用による放電量の増加もありますので、これに「熱による能力低下」が加わりますから冬場に劣らず、真夏のバッテリ−トラブルも非常に多い訳です。


バッテリ−もヒトも「過ごしやすい温度帯」は似通っている事をご記憶頂けば、季節の変化を感じる毎にバッテリ−のチェックも出来ますかね・・・、やっぱり忘れちゃいますか?

 

3.メンテナンス・フリ−の意味

メンテナンス・フリ−・バッテリ−には「補水の必要がない」という理由から通気口以外は完全に密閉されているものもあります。これには補水がしたくても出来ない為、オ−バ−・チャ−ジによる電解液の減少はそのまま放置せざるを得ず、ただ寿命を待つばかりという印象もありますが、通常の使用で補水が必要なければ電解液の残量をチェックし辛い車両や、補水作業の困難な車両には非常に便利なものです。電解液が無くなればおしまいですが、充電が出来ない訳ではないので用途に応じて「不精な人」にも喜ばれているものです。

補水が出来ないという事は、「電解液の比重も計れない」という事なのでバッテリ−の管理は電解液量と電流電圧計に頼るしかありません。実際に使用してみて若干不自由を感じている部分ではあります。


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(981108)