インデクシング事例報告(Episode1&2)
プラグのインデクシング事例報告 EPISODE-1
ダナヘルス西の大番頭さんの元へ嫁いだメガーヌ16Vの場合・・・
プラグのインデクシング特集です
なぜこれを皆さんにお薦めするか?
それは皆さんにクルマいじりのセンスを磨いて頂きたいから。。。
ここでひとつ、ケーススタディと行きましょう
費用対効果?
おカネをかけたら良いという問題じゃぁない・・・という話です
例えば
おカネをかけたら速いと思うからスペックに踊らされる・・・、
クルマに限らず概して↑ニホンジンの悪いところかも知れません。。。
苦労対効果
最近この言葉の響きがとても気に入っています、
ここにあるインデクシングはいわば単にお膳立ての「解説」です
知っているだけでは役に立たない、しかし「実践」をすれば
苦労の割には効果が上がる
私のお薦めは全て基本的にこのスタンスです
器用対効果
最終的にその技術と実践による経験こそがあなたの財産になります
是非ともこの機会にあなたのスキルを磨きはじめて下さい。
1999 Renault Megane16V
そう、あのバイクみたいな反応を目の当たりにして皆さん驚かれた
例のWilliamsチューンド・エンジンといわれるF7Rを搭載したじゃじゃ馬---
断崖絶壁号・忍者かっトビくん
実はその後6万キロそこそこでタイミングベルト切れのため瀕死の重傷となっていたようですが
(・・・それ死亡でしょ?ってのはナシにして・苦笑)
大番頭さんの募る思い入れを最大限に注入しての起死回生!!
<<出来るだけ大阪弁をフィーチュアして現場のリアル感を再現します>>
ベルト切れのお話を初夏にうかがってから二ヶ月の入院を経て ・・・久々の再会、つい先日の話です。
もう会えないのかと思ったよ・・・メガーヌくん(グスッ)
「その後の調子はどうですか?」と尋ねると大番頭さん
「んー前のようにはイカへなぁ、まぁ・・・組み直してるから仕方ないやろぉ」と、いささか意気消沈気味。。。
そういわれてどんな状況なのか気になる私
「ちょっとイーあるか?」
改めて運転席に就いてエンジンを始動、アクセルの反応などチェックに入る:::
最初はアイドルからアクセルを「急ブレーキの要領でドカっっと」ガバっと
いきなり床までアクセルを踏んでエンジンがレスポンスをくれた瞬間にパっと全閉。
これでエンジンのレスポンスを診断します。
「ん???」(汗)
もう一度同じ動作
「やっぱ、ん???」(脂汗)
私は首を大きく傾げる・・・以前と比べると何かヘン・・・
「エンジンオイルは何が入ってますか?」
「何ゆーてんの、浮気せんときっちりアリシン入れてんでぇ〜」
「いや・・・、だとしても粘度が相当違うのか確かにツキがちょっと鈍いですねぇ」
「そうなんやー、だからルウブさんにちょっと見てェゆーてんねん」(^_^;)
そ・・・、そーいわれても・・・(ますます脂汗);;;
と、
改めてチェック
アイドルからそーっと徐々に2000まで
「おっけ〜」
アイドルから3000
「んんん???」
2000〜3000
「んんんんん???」
私は首が折れるほど首を傾げる・・・
「どないしたん?」と運転席を覗き込む大番頭さん
2500〜2800で回転の上昇が鈍り、エンジンの振動が増えます、
この領域だけが何か別の仕事で消耗しているような感触です。
「組み付け精度の問題でしょうか、この辺りがイヤですね2500界隈」
このレンジで足を引かれる為に全体の吹けも悪化しています
何度繰り返してもその帯域を通過するのをエンジンが嫌がっている様子です。
タイミングベルト切れはクランクとタペットの動作時期連動を分断してしまうので
大体の場合m下に突き出て止まったラッパ型のエンジンバルブに対して駆動側にも連動しているクランクの先に付いたピストンヘッドが上死点に達するまでに突き出たバルブに衝突してしまい、バルブまたはその双方に致命的なダメージを与えます。
つまり今回
このエンジンの場合ほぼ完全オーバーホールを余儀なくされていわば墓場ともいえる戦場の復帰でした。
Williamsエンジン元通りになるのか・・・??
みたいな修羅場を抜けてまさに不死鳥の如くに起死回生だったわけです。
神様の仕業:::
つまり、今回のオーバーホールはかなりそうしたレアなチューンドエンジンを数多く手がけて来られたという神業ショップさんでのお仕事だったようです、
事実部品が入手できなくて相当ご苦労をされたそうでルノージャボンも16Vのエンジンに関する技術情報は皆無に等しくまるで頼りにならない中で
何やら間に合わない部品は流用でのワンオフもあったのだそうでsす、なにしろ想像を絶するほどの苦心の作というわけですが、
そこまで入魂して最後は普通のエンジンになってしまったのではOHをした甲斐もないような話になってしまいます。
まぁ、そうはいっても「以前と違う」というだけでの話で、ある種凶暴な素性はそのままです。
さて、そこで私が疑ったのはやっぱりプラグです、
というよりもエンジン内部に関しては私の手には負えないですからね・・・。
私に出来ることならば・・・インデクシングの確認くらいです。(苦笑)
そもそも私が所有していた2006年の夏まで
このクルマにもLPG用のSBCチューンドが装着してありました、勿論indexedでした。
OH時に新品プラグへの入れ替えのあったものか?だとすればEyquemの多極プラグかも・・・。てんてんてん。・・・。(汗)
それすら分かりません。
「なんとかしてぇなー」と大番頭さん・・・。
間もなく日が暮れます
早くしないと・・・。(汗)
<<<
抜き出したプラグはまさしく私の使っていたBKR6EIX−LPGのSBCチューンドでした♪
ラッキー!!
電極の消耗はまだまだダイジョブのレベル
勿論ショップでも確認しての再使用だったわけです・・・ところがところが
出てくる出てくる「あっち向いてホイ」
最初の1本目はベスト界隈
1本はワースト
1本はどうにかセーフ
最後の1本はBAD
九回裏ツーアウト満塁
ツースリー、バッター送りバントの姿勢からピッチャー投げた、三塁へ送球だ
3塁走者ホームへ走るぅーーぅ・・・タッッッチアウト 試・合・終・了〜〜〜!!
・・・な、かんじ?
果たしてこれが旨く改善出来るか
腕の見せ所です・・・(冷汗)
これはココ、
こっちはあっち・・・ダメか・・・。
それをこっち・・・ダメか・・・。
もうひとつをこっちで、おーグッド!
・・・
ガスケットを潰しきるところまで締めては緩めてまた締めて・・・
最後の1本が5時になったところでゲームセット
(このクルマは横置きFFながらフロント吸気のリヤ排気=6時側が吉相です)
バルクヘッドを覗き込むと立派なステンのタコ八が潜んでいます
あー、やっぱりこうゆーの見ると包帯巻き巻きしたくなるなぁ。弄る系ムラムラ症候群が改めて発症しそうな気配を楽しみつつ さあ、エンジン再始動。
奇跡的ともいえるほどに中古プラグの割に4本全てがインデクシングワッシャもナシでMostGoodに揃いました
「それじゃ、これでもう一度見ましょうね♪」
気になっていた2500界隈をチェックすると明らかな改善がありました
2500〜2800という帯域ではなく2800のピンポイントで一瞬だけグズりますがこれは実に大きな改善です。
「ところでOH後ここまでこの状態で何キロほど走られました?」と尋ねると
大番頭さん夕陽の上辺りに目をやって空に書いてある数字を読む??
(さすがだ。ちがう?)
「6000kmくらいやろか、8000?1万は行ってないワ」
「なるほど、既にソコソコ走られた。あの状態で組み付けの馴らしをされたと思って下さい、残っているのは恐らくその後遺症です、
改めてここから馴らしというか調教をして下さい。徐々に良くなればラッキーということで。いすれにしてもかなり良くなったと思います」
「ヨシ解った了解、しばらく様子を見るワィ」(^o^)
ということでお別れをしましたが
翌日改めてお電話を戴きました
「やっぱー凄いワ〜気持ちエエ!全然ちゃうでェ〜、ありがとうォーっ!!」
というご報告でした
よかったよかった。
ここで皆さんに示唆したい要点はいくつかあります
◆バランス取りを施したエンジンもプラグのインデクシングでまだまだ改善する
◆プラグのあっち向いてホイはエンジンを育てる環境として考察した時にも改善の余地がある
◆最後の気配りはオーナーの手にかかっている
一般的なオーナーカーの保全という意味から考えるとやはり二つ目が最重要でしょう、
インデクシングは改造に近い調律の技といえます
その技術は殆どの場合整備工場のサービスというメニューでは施工をして貰えません。
DIYでこうした技の実践をお薦めする私の本心は
「気遣いのレベル」を少し景色の良い丘まで持ち上げ
更にそこからの景色を見ながら感性を育てることで、目標を更に高嶺に持って行ける為です。
それだけ建築で謂うGLの位置が高くなるというオハナシ
ご理解を戴けたかと思います。
さぁ、無限の彼方へソレ行くぞー♪(^o^);
プラグのインデクシング事例報告 EPISODE-2
インデクッスワッシャーを使用したTodayQXi/PGM-FI(4WD)5Fの場合・・・
こちら、Morosoの銅製インデックスワッシャー♪
アメリカには昔からこんなワッシャがあります
3種類の厚みで確か10枚ずつ入っています
全部で30枚・・・
どうしても必要な箇所の分で足りるわけですから
いくらなんでも沢山ありすぎます。
今回、3気筒のウチで1本だけあっち向いてしまってどうしても正午あたりを指してくれないフミッパ号
どれもこれも再使用でガスケットが完全にまっ平になってしまったので、1本だけが4時界隈というか
正午過ぎ100°あたりのDarkSideを向いていたので、とうとうコレを持ち出しました。
けど・・・やっぱり必要になったのは1個だけなんですよね。(苦笑)
見た目の厚みはこんな感じです
厚いものから順に315°、210°、105°
戻った位置にセット出来るというものです
戻る角度に関しては・・・結構ABOUTです(汗)
そしたら似たような内径のガスケットならば他にもあるぞと・・・
左下はHONDAのオイルパンドレンガスケット(アルミ製)
右下はメルセデスのオイルパンドレンガスケット(銅製)
他にもざっと見渡すとスズキのドレンが銅製でメルセデスに似ていた記憶です。
試してみるのも面白いかも・・・
HONDAのガスケットは外径が大きすぎるようで締め付けたら他に干渉したのか?
クニャーって感触が妙だと思ったらお椀型に曲がってしまいました。(汗)
はい、話を戻しましょう
今回の場合戻したいのは100°くらいです
厚みの足りない場合は正午過ぎになりますが
厚みが足り過ぎた場合は正午前になります・・・
実際にそのままで入れてみると10時くらいになっちゃうゾと・・・結構アバウト。
これはナントカして12時直前くらいにしたい!!
そこで、一般的な平坦なガスケットのことですから
「厚みが足り過ぎた」今回の場合、ヤスリと砥石を駆使して「厚み調整」にチャレンジ・・・
というか、もう此処まで来たら意地でも全てを精緻なインデックスにしてみせる!!という意気込みというか
やっぱり意地です。
何度も厚みを合わせては、こんな取り出し用のピックアップツールも作成して・・・せこせこせこせこ
プラグを抜いてもガスケットはシリンダー側に残ってしまうので
いちいち取り出さなければなりません。
勿論、次回のプラグ交換時にも摘出しなくちゃなりません。
本来は金属製ワッシャのことですから普通はそこまで詰める話ではないです、
酔狂人の仕業ですからこの先は単にエッセイとしてお読み下さい。
せこせこせこせこ
まだ、ガスケットが痩せ足りないなぁ・・・
せこせこせこせこせこせこせこせこ
これだけ擦ってもこれだけかヨ!!クソ〜、
せこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこ
ようやく半分かよぉ・・・
せこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこ
もう少しだぞ。
せこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこせこ
ようやく完成〜〜〜♪
これで精緻なインデックス♪♪〜〜〜ぱちぱちぱち
感激はひとしおってものです。(笑)
【重要】
最後にひとつだけご注意を:::
ガスケットを重ねて使用すると漏れ、緩みの可能性が限りなく増大します
これを回避するためにはオリジナルガスケットは切り取るのが安心です。
コニカルシートタイプは元来ガスケットが無いので、エンジン側座面にガスケットが残るのは同じながら
ガスケットが多重になることはありませんが
通常タイプのガスケット付きプラグの場合
オリジナルのガスケットは切り取ってインデックスワッシャーを使用するべきと考えます、
また、ガスケットを切り取る際にはプラグ側の座面を傷つけないように細心の注意を必要とします。
Most Goodを目指すために・・・
これくらいの苦労ならば励みますという気概は湧いてきましたか?(笑)
新品のプラグはガスケットの潰れ分だけのマージンがありますので
こうしたワッシャーの必要となる可能性は低くなります。
ガスケットを切り取ったその時、あなたはもう後戻り出来なくなります。(大袈裟ですね、新しいプラグにすればイイんです♪)
さぁ、無限の彼方へヨシ行くぞー♪(^o^);