体感テスト

ス−パ−・ブロ−・カット・プラグ(仮称)
パ−シャル・ブロ−・カット・プラグ(仮称)

こんなプラグがあったらいいのに、ということで

プラグに加工を施してみました。実験での体感効果には驚くばかり。


「プラグセッティングの話」にご紹介した「プラグの向きを揃える話」は、「吸入・圧縮」に伴って燃料を霧にして吹き込む際に爆発力を最大に引き出す為にスパ−クさせた火花が吸入側と排気側でプラグ自身の影にならない様にプラグをセットする事が、プラグの善し悪しを判断する為にも(同じ条件でテストするという意味で)良いのではないかというご提案でした。

この問題を克服する回答となりそうな「中心電極に対してフックのないプラグ」というのも出ているようです。
ただ、中心電極に対してフックを持たないという事は360度火花が散るので電極の傷みが分散できる為その分だけ長持ちするという事ですが、逆の意味で「必ずア−ス・フックの影にならない代わりに放電は中心電極に沿って走るかボディ−側のア−スに向かって走る訳ですから半分の確率で影側でスパ−クする可能性も生じるでしょう」
従ってこれももうひとつ説得力に欠ける・・・。


従来タイプの一般的なプラグは燃料の流れに対して必ず「中空で垂直に火花を走らせる」。つまりココを燃料のジェット気流が抜けて行くのが一番「延焼力」が強いし、当然着火性もよいはずです。発火力の強いプラグを使用する事によりスパ−クの強い事で爆発力に与える影響力は「ミス・ファイア−」が防げる他にはインプレなどで確認する限り圧倒的な違いは認められないようです。

BOSCHのブル−プラチナやNGKのVプラグでは中心電極がイリジウムほどではないにしろ細くなっているので多少その事による効果はあるのかも知れません。ただ、問題にしているのは取り敢えず「ア−ス・フック」の部分。加工を施さずに少しでも「気流の邪魔をしないプラグ」を選ぼうという事ならばこの「ア−ス・フック」と「中心電極」の細いものがベタ−という事になると思います。

イリジウム・プラグはハイ・パワ−ド・エンジンの能力を最大限に引き出す為の力強いスパ−クが売り物で、中心電極も細く、ア−ス・フックもやや細い為にこの「影になる部分」が体積的には少し少なくなっていますが、プラチナ・プラグが約10万キロの寿命といわれるのに対してこのイリジウムは1.5−2万キロといいますから寿命の面では従来型のスタンダ−ド・プラグと同じです。

単価的にはどちらも一本2,000円程度ですから従来型スタンダ−ドの約5倍ということになります。性能面での比較体感テストではスタンダ−ドとプラチナの違いは「体感できない」という評判がもっぱらですからプラチナの長寿命は価格面で帳消しになります。プラチナは電極の消耗がそれだけ少ない事で電極部分の汚れも付着しにくいためメンテナンス・フリ−という意味で「特にプラグの交換・チェックの実行し辛い車両にはありがたい」といえます。つまりメンテナンス性の良い車両にとっては「どちらでも構わない」ということになると思います。

私の知る限りスパ−クを強くする為に高性能といわれる「コイル」や「プラグ・コ−ド」に何万という投資をしたからといって「激変」を体感した話というのはあまり知りません。

 


(99年1月11日追記)

つまり、強力なスパ−クの効果は限界回転域における「確実な着火」の為であり、それが「常用域」でのパワ−アップには必ずしも関係しないという事であり、燃焼室内の条件が同じで着火位置も同じならそこに最低限必要なのはただ単に「着火」というきっかけであって、それがその後の爆発力とは関係のない事が分かります。

言わば花火の導火線は火薬まで火を運ぶのが仕事であり、その導火線の火力が大きくなっても花火自体の大きさは変わりません。

エンジンはこの花火の話ほど簡単ではありませんね。

気化燃料を使用する内燃機関であり、
その燃焼室中の条件は意外に簡単な操作で改善の余地があるという事です。

分かり易く言えば、この燃焼室中で起こる全ての環境は花火に例えれば「爆薬」の設定条件です。

ご興味をお持ちの方は今現在使用されているプラグを取り外してそのプラグの状態を観察してみて下さい。

まず間違いなく、燃焼時に影になっている部分が黒くカ−ボンの乗った状態になっている筈です。つまりカ−ボンの乗った部分は影の部分で、そこに流入(衝突)した燃料ガスは燃焼せずにそこで固着してしまった証拠です。もう少しいえば、そこで衝突する事で発生した燃焼室中の気流のロスは、間違いなく爆発力を抑制する方向で作用したであろうという事で、これが減少する事は燃料の燃焼過程で発生する不純物も減少する方向に作用するはずです。完全燃焼に近付く訳ですから当然です。


そこでご紹介するのが

「ア−ス・フック部に穴をあける!」という話。

この話は他のHPでも話として読んだことがありますし、
(面倒なので試していないということでしたが)
某アナログ誌で紹介された事もあったようです。

そこで、ちょっと職人さんにお骨折り頂いてスタンダ−ド・タイプのプラグを加工して頂き、本邦初公開の我が家のクルマ:

「’88 Model VOLVO 740 GL セダン」

で12月第三週と四週にかけて実験してみました。
(普段の私の通勤車はご存知の通りディ−ゼルですからね。)

  1. 最初の3日間は「そのまま」。というのも、私は普段この VOLVO に乗る事があまりない為、どんな感じか覚える為に、先ず3日間通勤しました。

    このクルマを実際に運転された事のある方はご存知でしょうが「ガソリンだから静かだけど走らない」(ディ−ゼルと大差ない。他のVOLVOオ−ナ−の皆様ごめんなさい!でもホントでしょ!)
    このエンジンは古来から(なぜか)人気の 240 シリ−ズと同じエンジン。 NA 2バルブの4気筒 電気式インジェクション2.3L
    「お願いすると少しずつ動いてくれる様な」のんびりした素性のエンジンです。「アクセル・レスポンス」とか「吹け」という言葉には「お坊ちゃま」と「愚連隊」くらい縁の遠い関係、かな?

  2. 五日目に遂に「加工プラグ」の体験となりました。

名付けて「ス−パ−・ブロ−・カット・プラグ」(仮称)

使用中のプラグで実験して即効の激変を体感しました。
(ボッシュのSUPERです)

いやあ、正直言って驚きました。

この「加工プラグ」はフック部に穴を開ける事でプラグのセッティング方向によって燃料ガスがスパ−クに対してフックの影に入りにくくする効果があるため、セッティングの方向を気にしなくても燃焼効率はかなり向上するようです。

プラグの効果は例えば助燃剤を添加した燃料がエンジンに入るまで待たなければならない様な事もなく、即効性だの遅効性だのいわれる「オイル添加剤」の効果を神経を尖らせて待つような事もなく、走らせた途端に現れました。
まず、路地から大通りに出るまでの間に「強い追い風でも受けて走り出したかのように」フワ〜ッと加速。アクセルを緩めたのに加速する感じでした。

次に、国道からバイパスへ出てしばらく走ってみると劇的な高トルク体験。80km程度のクル−ズ状態でアクセルの踏み込み量は以前の半分かそれ以下の感じ、感覚的には2mm程度踏んだ位で80km/hをキ−プするようになりました。

第一印象は「なんじゃこりゃ?!」

全ての道路が下り坂になったような感じで
「ずーっと後ろから何かに押されて走っているかのよう」
です。

燃費のデ−タが取れるほど沢山のデ−タは揃っていませんが、アクセルの踏み込みはほんの僅かでもクル−ズ・スピ−ドを維持できる為、かなりの少燃費効果が見込めそうです。

増大するトルク感の太り方は半端な量ではありません、まさしくチューニングですからね。

とにかく安定した強力な爆発力を発生し、燃焼室内の気流にも無駄がなくなる為だと思いますが「非常に静か」になります。4気筒が6気筒になった感じというのが正直な表現です。

その後、乗るたびに良くなる訳はないと思うのですが、
それでも「乗るたびに感動します。運転が楽しくなった、まさに快適とはこのことかな?という印象です。

ちなみに、家内のその後の感想は「スゴイ!又クルマが軽くなったんじゃない?」でした。


もう一つの「加工プラグ」は上記「ス−パ・ブロ−・カット」のセンタ−・スリットを入れずに、ア−スフックのサイドからの燃料の流れを整える為のフック・サイドのハイレッグ加工だけにとどめたもの、

名付けて「パ−シャル・ブロ−カット・プラグ」(仮称)

こちらの加工だけでもかなりの効果がありましたが、やはり「ス−パ−・ブロ−・カット」と比べると少々おとなしい感じで、ス−パ−を100点とするならば78−80点という印象でした。


以上、確かに効果のある事を確認し、「にんまり」でした。どんなクルマであれこの効果は体感できると思います。

ディ−ゼルにもスパ−クプラグがあったらいいのにと思ってしまいました。(^^ゞ


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(990101)