「ディ−ゼル・エンジンは丈夫?」

実はガソリンエンジンも同じ事です


誰が言い出したのかは知りません。ディ−ゼルは高いけどその分丈夫だからねえ。
よく聞きますが嘘です。いや、本当の部分もありますがそれは乗用車や1tクラスの貨物には当てはまりません。騙されているとまでは言わないにしろ勘違いです。
問題はそのエンジンの素性です。それはディ−ゼルに限らずガソリン車も同じこと。
たとえ話ですから、ちょっとスピ−ド違反して時速120キロで240キロ先まで行ってお土産に缶コ−ヒ−を一つ買ってきます。往復4時間の高速ドライブです。こんな馬鹿げた話なので燃料代のことは考えないとして、ガソリン車排気量 A: 約 1,000CC と B: 約 3,000CC どちらで行くのが楽でしょう?
当然 B ですね。ではなぜ B なのかを考えてみましょう。


どちらで行くのが楽か、それは疲れないか、快適かという事だと思います。快適はつまりストレスの少ないこと騒音はストレスになりますし、振動も同じくです。リッタ−・カ−とラグジュアリ−では車格が違いますから止まっていてもシ−トから違うでしょうがエンジンに限って言えばやっている仕事は一緒です。大きな音を立てて作動するからにはストレスがあって消耗している状態。振動はこの音を体に感じているだけなのでこれも同じ事。人間が感じるストレスはその機械にとってもストレスに変わりはないといえます。従って非常に簡単な話になります。うるさい機械は長持ちしないし、静かな機械は長持ちする。いやあ、惚れ惚れするほど端的な表現です。
これでは話が簡単に終わりすぎるので補足します。
実はこの話のオチも簡単で「回転数」だけの話になります。どいういことか、つまり大型のエンジンになればなる程「低回転高トルク型」になるし逆に小型になる程「高回転低トルク型」になる宿命があり、同じ量の仕事をすれば当然小型の方がくたびれるのは明らかです。例えば同じ時速100キロでの巡行に2,000rpmで済むエンジンと比べれば3,000rpmで出力を稼がなければならないエンジンはもともとの負荷も違いますが回転数だけを見ても1.5倍働いていることになります。全く同じ構造のエンジンが、出力の差だけで比較出来るなら、少ない回転で済む方がそれだけ寿命は時間的に長くなります。つまり、機械であるエンジンの一生はその総回転数で自ずと決まるという事です。
そこで最初の話に戻ればディ−ゼルが丈夫というのはもともと貨物、それも長距離路線等で昔から活躍している大型ディ−ゼルの事だということがよく解るでしょう。

だから何だと言われそうなので出力とトルクのピ−クを得られる回転数資料。


大型ディ−ゼルのエンジン寿命は100万キロといわれます。そして、通常そのオイル交換は2万キロ毎。

トラックの多いバイパスで通勤しているので耳を傾けると、4t車の方が乗用車(勿論D)よりもずっと静かなのに気づきます。大型やトレ−ラ−も当然静かですが排気量が大きくなるのと、その車両の特装状況によってはマフラ−が最短になっていたり(ダンプなんか、わざとだったり)してうるさいのもありますが、そもそも排気音であってエンジン音ではありません。



ちなみに機械式インジェクション・ポンプはそのエンジンの回転数分だけ仕事をすることになる為小型ディ−ゼル等は注意した方が良いと思います。

 

インジェクション・ポンプ:
ガソリンとのエンジン価格の差はこの部品の値段の分だと言っても良いほど高額な補器です。かつてはガソリンの半額程度だった軽油の引き取り価格も現在は約75−80%と二割程度の価格差しかない現状では相当な距離を走るユ−ザ−にしかメリットがないようにも思えますが、既にディ−ゼル車にお乗りの方は出来るだけこまめなメンテナンスを心がけて頂きたいです。(その中でも特にタ−ボ付)
インジェクション・ポンプの潤滑にはエンジンオイルが循環しています。

電気式のインジェクションは静かですね。ランクル、ハイエ−ス、ハイラックスの3リッタ−・タ−ボ、エミ−ナ、ルシ−ダのがそうですが、D車特有のガチガチ音はこのポンプの音ですから、特に機械式の場合しっかりとメンテして新車に近い騒音を維持できればかなり快適ですよね。

インジェクション・ポンプのオ−バ−ホ−ル(リビルト品)はインジェクション・ノズルのオ−バ−ホ−ルと併せて20万内外と記憶しています。

 


ホ−ム・ペ−ジへ戻る「よもやま話・4」へ