エアコンの話

真冬ですが、エアコンの話です。

思えば HP 開設の折、あの真夏の苦しみを思い出し「あれから丁度5ヶ月」と感慨深いものがありますが、あっという間の事でした。みなさんのお陰です。ありがとうございます!

夏にはなくてはならないエアコン。雨天や冬場の曇り止めに活躍したりと、何かと重宝なエアコンについて、自分で出来るメンテナンスは「除菌カビとり」くらいのものですが、お世話になっている割にあまり考えた事もないという方が多いと思いますので少しだけ、豆知識程度の話になるかと思いますが・・・。


まず、熱交換器のしくみについて簡単にご説明します。

  1. 下の図の右寄り
    「リキッド・タンク(リザ−バ−)」は高圧ガスボンベです。通常は筒状で、上部に丸いガラスの覗き穴がついています。便宜上、ここから仕事が始まると考えて下さい。
  2. 冷媒はこのリキッド・タンクに一時貯えられて次の「エキスパンション・バルブ」で膨張するのに控えます。
  3. このリキッド・タンクとエキパン・バルブは「エアゾ−ル式のスプレ−缶」の様な物です。
    液化している冷媒を次の低圧側の「エバポレ−タ−」に向けてスプレ−する訳です。
    爆発的に体積が増え、急激に温度を下げる事を「冷却器」として利用します。
    エバポレ−タ−はラジエタ−の様な形状のもので、室内のヒ−タ−コアと同席しており、ヒ−タ−のブロワ−を使用して強制的に通風させて熱交換を促します。
  4. 当然エバポレ−タ−が冷たくなって、そこを通ったエア−はエバポレ−タに熱を奪われて冷たくなります。それと同時に夏のビ−ルのタンブラ−と同じく「汗」をかきます。そこで「湿気」も奪う訳です。この水分は水滴になってエバポレ−タの各部から下方に伝わって落ちて行き、ドレ−ン・パイプから車外に出ます。

    蛇足です。
    従ってブロワ−が壊れても熱交換機能が正常ならば一応足元に氷を置いているのと同じ状態にはなります。
    Volvoの場合はファンがOFFでもコンプレッサ−はONというセッティングが出来るようになっており、ディ−ラ−の説明によれば「通年コンプレッサ−を使用する事で錆付きを予防する」為だそうですが、私のクラウンバンは冬季殆どOFFでも錆付きなどなさそうなんですが・・・。
  5. 下の概念図は右側が「高圧側」、左側が「低圧側」になります。
    つまり「エキパン」を境に左側=「エバポレ−タ−」が「低圧」で、このあと「コンプレッサ−」で圧縮されて「高圧」になります。
  6. 補足です。繰り返しになりますが
    エアコンの機能自体はこの「低圧側」に向けて「液状の冷媒が急激な膨張(気化)をする事で周囲の熱を奪う」事を「冷却」に利用している訳です。
    カセット・コンロをなべ料理などに最大出力で使用していると途中でガスが空になってしまい、次のカ−トリッジに交換する時「空のボンベが汗をかいている」のを見た事があると思います。
    また、アウトドアで同じくブタンガス・ボンベを使用すると(特に山間部では)ボンベが極端に冷たくなってしまいボンベの圧力が下がってしまい「火力の低下」を経験するのも同じ意味です。
  7. 車内の空気或いは外気を冷やすことで「常温に近付いた冷媒」はコンプレッサ−に押し込まれて「再度圧縮され、逆に今度はを持ちます」。これは膨張時に冷却力を持つ事と正反対の現象で、圧縮されて体積を減らす事で熱を持つ訳です。
  8. 圧縮によって高温になった冷媒は「コンデンサ−」を通過する事によって今度は「常温で冷まされる」ことになり、最終的に液化する事で 1.の「リキッド・タンク」に貯えられます。

    これで一巡です。良く出来た感動的なシステムですね。

エアコンも冷蔵庫も冷凍庫も、家庭用であれ車両用であれ業務用であれ、熱交換器としての機能は全く同じです。
単位容積当りの熱交換能力の違いによって「除湿機」になったり「冷凍機」になったりします。
ただ、冷媒には色々とあって自動車用にはかねてからオゾン層破壊の主役とされて来た「R−12」と代替新冷媒の「A134a」が有名ですが、冷凍車、冷蔵車などに使用されている冷媒はその他のものが多いようです。アンモニアを冷媒として使用するものも業務用を中心に今後増えてきそうな気配です。



以上、簡単に熱交換のしくみをご説明しましたが、当然これは「密閉されている事が条件」になりますから「その容積中に封入される冷媒と潤滑油の量」は熱交換の能率に密接な関係を持つことになります。

通常はこの「潤滑油」といっても交換も注ぎ足しもしないのが妙な「常識」として認識されているようですが、潤滑油が封入されている事自体が「潤滑油の必要性」を証明しているものですから本来ここにも「オイルメンテナンスの必要性」はあります。少なくとも欧米の業務用の世界ではこれらのオイルメンテナンスは普通の事として認識されているようです。


冷媒の適量を判断する虎の巻

  1. ガスの量が多すぎて全体の圧力が高すぎると、低圧側で充分な膨張を得られなくなります。
    従ってこの場合「冷えが悪い」。
  2. 潤滑油量が多すぎる場合もシステム内の容積(空間)が単純に減少する為能率が悪くなる事になります。

    この話は「よもやま・6」に書いた燃料に対する2サイクルのオイル調合割合の話に少し似ていますね。

    潤滑油の仕事はあくまでも「潤滑」であってエンジンにおける「燃料の助燃剤」とは全く違います。2サイクルの場合は燃料に潤滑油を混合して「燃料と一緒に」燃焼室へ送り込む訳ですが潤滑油は爆発の助けをするものではありませんね。排気口から油の出てくるのと白煙になって排出される分はとても「動力化」されているとはいえません。

    従って、より良い結果を期待するならば潤滑油量は少なければ少ないほど沢山の燃料(比)で爆発力を稼げる事になります。これは単純に「焼き付きまでの限界比」以下でない事は当然ですが「良質の潤滑油」を使用する事でそのオイル比率を下げる事が可能になる訳ですから、それで爆発力を改善できる事になります。今回のエアコンの話もこれに良く似ている訳です。

  3. それでは以下、実際に「簡単なチェックの仕方」をご紹介します。

    外気温が低い場合には真夏と比べれば全体の圧力が低い事は最初にご承知おき下さい。
    エアコンをオンにしてコンプレッサ−が作動している状態でエンジンを2,000rpm程度に固定し、しっかりと熱交換の作業をさせている状態で「リキッド・タンク」の覗き穴から「冷媒」の状態を観察します。
    1. 全く何も見えない状態:
      これは内部圧力が「高すぎる状態」。ガスが多すぎる。
      少々ガスを抜いてやる事で「能力は向上」する筈です。多ければ良いというものじゃないんです。
    2. 真っ白く泡立ちっ放し:
      これは逆にガスの少なすぎる状態。
    3. ほんの少しだけ泡の出ている状態:
      これがベストです。
    4. 基本的に専門店で「高圧側」と「低圧側」の圧力を見てもらい、最良の落差が発生している事が望ましい訳です。

家庭用のエアコンも最近ではスクロ−ル・コンプレッサ−も出ています。これには金属部分のコンタクトはない筈で作動音も非常に静かです(新しいものは大抵静かですが)。室外機が唸るタイプのものはおそらくレシプロですから車のエンジンと同じような構造で、無理やりピストンを動かしてシリンダ−内のガスを圧縮しては送るという作業をする訳です。

車のコンプレッサ−の場合はエンジンの回転を借りて作動します。バスなどの場合はク−ラ−専用の小型エンジンがついていたり、冷凍コンテナなどの場合も同じくです。店舗や家庭用の場合はこれの代わりにモ−タ−(モ−トル)を用います。


冬場のエアコン大都市圏で曇り止めに使用される場合、ちょっと考察。

極端な低温下ではウィンドウの曇りはエアコンの除湿効果がなければ曇りの取れない事がありますが、私の場合は先程も書いておりますが冬場にエアコンは殆ど使用しません。名古屋界隈の気温では必要性を感じる事があまりないせいですが、先日ユ−ザ−さんとその話になりました。名古屋の方ですが「冬場もエアコンは常にON」といいます。「必要性を感じる」ということで「曇ります」といいます。同じ環境なのになぜでしょう?

答えは至って簡単です。

それは除湿機能を果たす「エバポレ−タ−」が水分を残す為に次にエンジンをかけた時にヒ−タ−の暖かい空気でその水分を車内に発散させてしまう事が要因です。

私の場合はエバポレ−タ−が余分な水分を保有していない状態なのでこの水分の発散がない為窓の曇りは起こらない訳です。

バイパス走行時に周囲のトラックなどが多く、排気ガスが気になる場合には「内気循環」にせざるを得ませんが、それでもしばらくは曇って来ません。
曇りが出始めた時には「ヒ−タ−を熱く、強く」します。排出箇所をデフォッガ−に替えるなどで解決できない時には少し窓を開けて換気をしてみます。一度お試し下さい。

まあ、気分くらいの違いでしょうけれど「省エネ」を考えた時に私の様な長距離通勤者は電車通勤をしていない事へのせめてもの償いの為に「できるだけOFF」を心掛けているとでも申しましょうか・・・。


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