オイルに含まれる添加剤成分

 

ベ−スオイル自体は「鉱物油」、「部分合成油」、「合成油」の他にもスクアラン等で知られる動物油や植物油もありますが、通常は最初の三種です。

潤滑油にはこのベ−スオイルに対して様々な添加剤のパッケ−ジが調合され、もとから製品に配合されている訳ですが、一般的なものをご紹介します。

添加剤の種類と役割

種類 役割 代表的な成分例
清浄分散剤
清浄剤(金属系)
分散剤(無灰系)
オイル中の劣化物や不溶解分の各部への堆積を防ぎ、各部を清浄にする。
カ−ボンやスラッジ等の粒子をオイル中に分散させて金属面への付着を防止する。
カルシウム塩基系

マグネシウム塩基系

酸・窒素系
酸化防止剤 オイルの熱等による酸化、変質を防止してスラッジ等の劣化物の生成を抑制する。 リン亜鉛系、アミン系、フェノ−ル系
耐荷重添加剤
油性剤
極圧剤
摩擦面に油膜を形成して摩擦や摩耗を低減させる。
摩擦面に反応し、化合物の被膜を形成して摩耗や焼付を防止する。
高級脂肪酸系、エステル系
硫黄リン系、リン亜鉛系、モリブデン系
粘度指数向上剤 温度の高低によるオイルの粘度変化を少なくする。 ポリマ−系
流動点降下剤 低温時にオイル中のろう分が結晶固化するのを防ぎ、流動点を低下させる。 ポリマ−系
防錆剤 金属表面に保護被膜を形成して、水と金属の直接接触を防ぎ、錆の発生を防止する。 リン酸塩系、硫酸塩系
消泡剤 オイルの泡立ちを抑制し、泡消しの作用をする。 シリコン系

 

添加剤の使用例

  清浄分散剤 酸化防止剤 耐荷重添加剤 粘度指数向上剤 流動点降下剤 防錆剤 消泡剤
エンジンオイル

(Gas&Die)

ギヤオイル
ATF
油圧作動油

 


添加剤のベ−シックな話

市販されているいわゆる「オイル添加剤」は、上に示した成分のものがこれまで一般的で、非常に古くからあるアイテム、例えばポリマ−系の非常に高い粘度を示すものであれば粘度の補強に即効な訳で、逆に使い方を誤れば粘度が上がりすぎて吹けが悪くなったり、重たくなったりもする事になります。つまり、粘度の落ち始めた場合の補強の意味でオイル寿命をもう少し持たせたい場合等に有効な訳ですが、あくまでも一時凌ぎになります。

その後、車の調子として一番その効果を体感できるものとして極圧剤が注目されることになり、二硫化モリブデンを調合したアイテムがもてはやされる時期が長く続きました。現在ではトヨタ系で販売されている100%有機モリブデンの商品やこれに塩素化炭化水素を配合してモリブデンの付きを良くしたアイテムも出回っている様です。
モリブデンに関しては金属面に形成される被膜といっても結合が弱い為エンジンオイルに添加した場合その効果の持続力は3,000km程度のようで、当然オイル交換毎に添加する必要があります。

そして、ごく最近の主流はエステル。中でもコンプレックス・エステルは複数の結合を持つ為、高い耐荷重性能を示すとされています。資料によれば、例の添加剤「0−1」は独自の開発による炭化水素にやはりエステル・ベ−ス・ストックを配合しています。


ホ−ム・ペ−ジへ戻る「よもやま話・8(その2)」へ