「よもやま話・1」

例えば長持ちするタイヤは確かに倍近く長持ちするようです。但し値段の方は若干高め。

そのメリットが買う側にあるのなら高くても良い物を売るというのが本当の良心だとすれば「安い方のニ−ズ」だけに答える最近の傾向は規制緩和の悪い側面でしょう(当然価値観の問題はありますが)。
コストを抑えるために人員を削減された現場では「高い方を勧めるだけの時間的余裕がない」のも事実です。客が買う物を勝手に選んで欲しい物だけを買って帰るスタイルは消費者の方が相当勉強しなければ損をする可能性もあります。二つの同じ機能をする耐久消費財の片方はもう一方の六掛けで寿命が半分以下の場合に、六掛けの商品を選択する自由はありますが倍以上の廃棄物を生むことの責任は認識されていないでしょうし、もともと良識に任せられてきた部分です。それでも結果的には地球環境を考慮せざるを得ない消費者に選択を委ねるということは責任は消費者にもあるという事だと痛感します。
商品の情報は「広告」という方法で周知されるのが一般的ですが当然の事ながらこれには巨額の投資が必要で、たとえ従来よりも良い物をより安価に製造できるようになったとしても「従来よりも良い」事を宣伝するために支出は増加するので、企業側に余程の含み益がない限り従来よりも安くは残念ながら供給されないことになります。悲しい現実です。消費者はそういった広告からしか商品情報を得ることが出来ません。販売の現場から商品知識としての意見が聞けないというのはそういうことです。


アメリカではかつて廉価版後進国製品ばかりを扱ってきた巨大ス−パ−Kも取扱商品の急速な見直しを迫られていると聞きます。それは消費者自身が「安かろう悪かろう」の体質から「実利」を選び始めているためです。アメリカの景気が良いこともその重要なファクタ−でしょうが「ちゃんとした製品でなければ結局は損」と気づいたせいだといいます。最近の国内情勢をみる限り当面は「取りあえず安い方」でしょうが「結局は損」というのはどの時代にも共通でしょうから、あと一割でも余分に出すだけの余裕がないというのが正直なところかも知れません。

少なくともインタ−ネットという媒体のお陰で、このような形で事細かなメンテナンスアドバイスが出来ることは、こうした弊害を最小限に食い止めることが出来るのではないかと思います。
タイヤの話に戻ります。日本で人気のある「超消しゴムタイヤ」の類はもともと特別高価なスポ−ツカ−の為に設計されたもので、海外では本来普通のユ−ザ−が買うものではなかったのですが、比較的走行距離の短い日本の事情には欧米では主流の「長持ちタイヤ」は販売する側に敬遠される傾向があり(勿論顧客のリピ−トが遠のくという理由です)、逆に摩耗の早いのが常識になっているようで国産タイヤの殆どは4万キロが交換の目安となっています。そんな現場の声を反映してか、ミシュランもMXTシリ−ズのバ−ジョンアップとして発売したMXEは始めからタイヤ溝を約1ミリ浅く設計し、「軽量化による更なる省燃費型」としたようです。基本性能部分はパタ−ンを見る限り焼き直しというよりは別もの。やや高級でややスポ−ティ。4本のストレ−トグル−ブで排水性を高めたものです。

私もMXTは今3本目ですが、前回前々回とも約7万キロ使えました。確かに少しだけ高い部分は完全にペイしています。ただ、長持ちすること自体は良いことですがスリップサイン近くなってもなかなか最後まで行かないので、最後の最後まで使い切ろうと思うとかなりギリギリのレベルが長くなってしまうので(ここでも倍もってしまうため)、その間の安全面には少し不安を感じる為ちょっと早めに交換しています。それでもほぼ7万キロ。価格が2割り増しなら5万キロも走れば元は引けるので6万キロくらいで交換しても良いんですが、貧乏性なのか、つい毎回7万キロ乗ってしまいます。グリ−ンタイヤ・シリ−ズのシリカの効果は先日新しく換えた時に体感しました。ころころと軽く転がる感じで、やはりエンブレが効かない感じ=惰性でよく転がるようです。MXTは夏タイヤではなく深く細かなサイプの施されたオ−ルシ−ズン用なので少々の雪ならば少しくらい坂も登ります。お陰で突然の積雪の朝にもチェ−ン無しで出社できました。うちを出るといきなり坂道なので・・・(当然無理は禁物ですが)

長持ちするっていうと滑りそうな印象を受けますが雨の日にハンドルを切り込んで行くとタイヤが鳴きます。私がMXTを選ぶ最大の理由はやはりその経済性と静粛性と快適性。移動距離が長いので当然のことです。オ−プンプライスになったので価格も少しだけですが下がったようです。タイヤ、ホィ−ルも取り扱っていますがどうしても輸送費がかさむのとお近くの販売店でご相談いただいた方が便利かと思いますので悪しからず。(どうしてもという方はメ−ルをください。ベストプライスを出します。正確なサイズと出来れば商品名。取り扱っているのはミシュラン製品とBFグッドリッチそれにライケンブランドに限ります。)
騒音問題からタイヤのパタ−ンノイズに関する新たな規制が準備段階に入りました。欧州では既にこの規制が実行段階まで来ているので日本でも近い将来の話になると思います。パタ−ンノイズに拘わらず、すり減ったタイヤの走行ノイズは相当大きく、振動もダイレクトになるので車も傷めば気分も悪いし危険の3拍子揃います。新品のMXTにはおまけのサイレンサ−サイプが少しだけ入っていて最初の5千から1万キロ位は特に静かです。どこのメ−カ−でも入っているんでしょうか?

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