恐るべしクラウンバン
一体どこまで甦る・・・


平成12年7月25日


内装シートクリーニングの実際とその後の車両メンテナンス



内装シートクリーニングの実際


トヨタ自動車の誇る「最高級商用車」の名前を欲しいままにする(当時)クラウンバンD.デラックスATMのシートは生まれながらにして「総ビニールレザー張り!」(爆笑)もともと私の購入当時は「一番上のグレードとなるSuperDeluxeにはガソリン5Fマニュアル」という設定しかなく(こちらは座面と背面だけファブリック)(^^ゞ・・・で、車両価格は私の購入した「ディーゼルAT・Deluxe」が一番高額だった記憶です。(笑)
つまり、実際には一番高い車が「総ビニールレザー」だった訳です。

ま、それはそれで良いとして、ビニールレザーは冬冷たく夏アッチッチ!というデメリットはあるものの、汚れは濡れ雑巾にマイペットで簡単に落ちるというメリットもあります。(笑)

ただ、ビニールというのは「UVと熱」によって硬化するため6年目位で少々のクラックが出始めました。内装材料のこうした劣化はなにもビニールレザーに限ったハナシではありませんね、一般的にガレージ入りでなければビニールでなくても大体そうした「ヤレ」の認められ始める時機でしょう。

その後8年目15万キロを越えた辺りからでしょうか「遂に座面の腰が抜ける」という致命的な状態が訪れ、その後最近になって「交換用中古代替シート」をみつけるまではちょっと我慢だった訳です。
座面のスプリング切れのような症状は当初「スポットで一箇所だけ」発生してその時点では非常に気にしていたのですが、次第に全体が陥没する感じで比較的平坦になって来た為に結局その後2年近くも我慢することが出来ました。(まさに苦笑!)

「クラウンのシートくらい幾らでもみつかりそう」
に思えますが、実は5ナンバーボディの中古車両が中国・台湾で引っ張りダコの為に発掘にはままならない状況で、それまで人任せだった「シート探し」は結局自分の足で「解体工場で潰される寸前の車両を通勤途中に発見」という方法で決着しました。
フル・ファブリックのRoyalSaloonのモノです。勿論Usedですから汚れはあります、シートが売れるとは思っていなかった解体屋さん、油で汚れたツナギでクルマを移動させたりグリスだらけの工具をシートに置いたりした形跡があり
「待ってくれれば綺麗なの出た時に連絡する」とおっしゃって下さいましたが、もともとこちらは少々の汚れくらいはセルフ・クリーニングで落とすつもりだし所詮「解体車両」ならば汚れがあるものという認識ですから「汚れの分はマケといて!」と


(^.^)こんな顔して見せると
(^^ゞこんな顔で
「じゃぁ、左右2脚で8000円にしとくよ!」

そんな訳でその場でシートをカーゴに積み込んで・・・。
ライトバンってこういう時も便利です、機動的で機能的。クルマのデザインは昨日的・・・。(流行のオヤジ風ダジャレ、お粗末!)

イントロが長くなりました、
で、やっとシートのクリーナップの話です。

シートの載せ替えに伴うシートクリーニングの実際



実はですね・・・、以前会社で中古購入した縁故のSV20カムリの内装がとてつもなく汚かったので「専門の業者さん」に依頼してこれの内装クリーンを出張サービスして頂いたことがあります。(随分昔の話ですが・・・)

ま、そこで盗んだプロのKnow−howという訳ですが
概略をご説明しましょう。

先ずはシートですね。ファブリックのシート地をキレイにする話です。
本皮仕様の場合は習っていないのでごめんなさい。

その前に、準備するモノ。


バケツと雑巾、それに洗剤。
洗剤は弱アルカリ性の住居用合成洗剤で充分です。特別お気に入りの洗剤があればそれでOKでしょう。
それにこれを散布する「霧吹き」
霧吹きはレバー式の物が使いやすいでしょうね。
私は園芸用にホームセンター・DIYショップで(夏場だけ?)販売されている「霧吹き君」というアイテムを発見して使用しています。口径約2cmのPETボトルの口に取り付けて使用できるスプレーノズルだけの商品で1個198円でした。(^.^)
あとは「普通の住宅用掃除機」
(自動車の電源を利用する簡易・小型のものは吸引力が弱いので使い物になりません。)あとは「天気の良いよく晴れた機嫌の良い」つまりお日様のFineな日を選ぶだけ。

では始めましょう。

  1. まず、最初に行うのは「掃除機での掃除」これはシート表面の細かなゴミを取り去るという意味は勿論の事、シート内部の塵や埃を出来るだけ表面に浮かせるという意味があります。
    そのため、強力な家庭用、もしくは業務用が好ましい訳です。

  2. 丹念に掃除機でシートの座面から背面、側面しつこく吸い尽くしたら次に洗剤の散布です。
    洗剤の濃度は洗剤メーカーの指示に従って下さい。

    実際に「汚れを落とす」つもりで改めて見ると、シートというのは意外に認識していない「汚れたところとそうでないところ」があると思いますが、汚れの濃淡はあまり意識せずに全体に均一に洗剤を散布します。
    この時、散布した洗剤ができるだけ細かな霧で(ダマが出ない)散布するのが成功の秘訣です。上手に散布できると「ファブリックの表面に微小の結露」のような状態で洗剤が乗ると思います。
    結構思い切って充分な量を重ねて吹き付け、「この吹き付け散布の間は拭き取りはしないのが鉄則」です。

    一気に一脚のシート全ての面、というのはやめた方がイイです、
    まずは座面と背もたれ、これの拭き取りが済んだら次にサイドとかが良いと思います。

  3. で、次に吹き付けた洗剤が表面で結露していた状態から生地に吸い込まれて行くと思いますが、ここで洗剤が汚れを分解して浮かせるまでの間、少々待ちます。
    バケツをひっくり返して水をかけるのとは違いますから「散布」という方法だと結構沢山の洗浄液を降り注いでも意外に大丈夫です。
    雫が滴り落ちるのは多すぎですが・・・。(-_-;)

  4. 次は「洗剤の拭き取り」です。

    雑巾は水に浸してから「きつく絞る」
    これを丁寧にたたんで小さくしますが、利き腕の手でしっかりと握り締めると雑巾の表面全体が張った「団子状」になると思います、
    この状態の雑巾の「面」でシートの汚れを吸い取りながら拭き上げますが、汚れた面ではキレイに出来ないので裏返したり折り直したりすすいだりの繰り返しになります。
    ここで一番の注意事項は「ゴシゴシと擦らないコト!」

  5. それじゃぁ、どうやって??

    何と表現すると分かり易いでしょうかねぇ・・・。
    あ、そうそう。
    絨毯の上にこぼしたジュースが染み込まないうちに拭き取る・・・、うーん。ちょっと違うな・・・。最初吸い込まれずに絨毯の上に乗っっているジュースは緊急出動した雑巾で出来るだけ広がらないように吸い取るように周囲から集めながら拭き取りますよね。
    次にどうしてもジュースの染みた表面から出来るだけ絨毯にそれ以上染み込まないようにするにはどうするかというと「端から押さえるようにして直線的に雑巾に吸わせる」と思います。この作業に似ています。

    つまり、ファブリックの表面にはシート内部とシート表面の汚れが洗剤と一緒にいる状態ですから、これを中に染み込ませないようにして表面だけで拭き取る必要がある訳です。「きつく押し付けすぎると中に染み込んでしまいます」

    びっしょりと濡れたシート地ですが、洗剤を浴びただけだとホンマにキレイになるんかいな?
    という気がするものですが、この方法で拭き取って行くと雑巾が見る間に真っ黒けになります。
    当然汚れを吸い取って水気も含みますから「雑巾はキレイにゆすぎ、きつく絞り直して」という繰り返しの作業です。
    バケツの水もキレイであるに越したことはありませんので頻繁に水を汲み替えます。

  6. 汚れのヒドイ箇所は擦りたくなるのが人情。

    ですが、一連の「拭き方」の説明でお分かりかとは思いますけれど、絶対に避けなければならない「禁止の動作」があります。

    それは、先ほどの「ゴシゴシと擦らない」それに「叩かない」

    「叩く」という方法で水分は取れそうに思いますし、通常は効率良く水分を吸収する動作なのですが、この段階でやってしまうと汚れた洗剤液を押し込んでしまい、その湿り気が中の汚れを表面の裏側にも呼んでしまいます、そうなると結局裏側から表面に汚れが染みてブチ模様になる可能性があります。
    という訳でコレは絶対にやらないこと!

    つまり、表面の汚れだけを拭き取る拭い取るという作業です、イメージできましたか?

    この方法で丹念に何度も拭き上げて出来るだけ水分を拭い去りますが、更に汚れの気になる部分には最後に濃い目の洗剤をつけて局所的に「きつく絞った雑巾で擦る」あまり濡らさないというのがキモになります。

  7. 天井部分のファブリックも作業としては同じですが、ここには最初の掃除機は必要無いですね。
    ただ、天井は染みになり易いのでやめた方が安心です。
    それでもやりたいという場合は
    「全体に均一に吹き付けた洗剤を一気に拭き取る」のがキモになるそうです。
    運転している間は天井のブチは視界に入りませんが・・・、同乗者には見てくれ悪くなりそうで不安ですよね・・・。明るい色の場合は特に気を付けて下さい。


    あとはドアを開放して放置、自然乾燥です。
    大体午前中に作業すれば夕方には乗れます。

    シートベルトの手垢なんかも一緒にキレイにすると気分良く乗れますよ!


ま、そんな訳でクラウンバンにはロイヤルのシートが付きました。
解体屋さんのグリース系の汚れはすっかり落ちて、使い込んだ汚れもかなり薄くなったので「結構キレイなイスがあったのねぇ」などと家内が感心する程でした。(^^ゞ
(いやいや、結構頑張ったんだってば!)

ホント、結構キレイになりますよ!
ボディのワックス掛けばかりがビューティーじゃないです。
(^○^)



22万キロを越えたクラウンバンD
その後の車両メンテナンス


20万キロを越えた辺りでJVCSの高域テストのため2ヶ月間行った「毎朝高速道路でベタ踏み最高速度テスト(^^ゞ」の為ATMに変調を来たしたクラウンバンD。実は「合併症」として同時にヘッドガスケットにもごくごく僅かなオイル&圧縮モレを引き起こしていました。
「ミリテック」が「常識を逸脱した無茶苦茶な使用法」でこれらの発症を未然に防げなかったという証明になったという印象をお持ちの方もみえるかも知れませんが、ガスケットはやっぱり関係ないですよね。何もしなくてもオイル漏れは発生頻度も高いです。強いて言うならば「ミリテックとJVCSで異常に回りすぎた事」の方が因果関係としては説得力があるように思います。
少なくとも「無茶な事を繰り返したため」にこうしたトラブルへの近道となったのは間違い無いでしょう。結論:「無茶苦茶」はイケマセンよね・・・。(苦笑!)


ま、そんな訳でその後先回の車検(3月)では整備工場側から「検査が先」という理由でパスされてしまって後回しになっていたこのガスケットの交換を実施しました。

これの実施までには少々迷いもありました。というのも

車検を依頼している整備工場ではサービスフロントマンに工場長さんも交えて色々とお話をしましたが問題になったのはヘッドを取り外して見た状況で、その後の整備内容に大きな開きが出るため、現状問題無く動いているものを開けてみる必要はないでしょう?という部分でした。
つまり、原因がガスケットの損傷ではなくてヘッドの歪みが確認されればこれの平面研磨という作業も入るでしょうし、その時点でタペットの調整も必要になればタペットのOHという事にもなり兼ねない。そうなればピストンにピストンリング、クランク(親)メタルにコンロッド(子)メタルの交換もやりたくなって、結局は全部のOH・・・。そんなことになるなら始めからリビルトエンジンを買ってきて・・・。と、だんだんと話が大きくなって金額も増えて行く。挙げ句の果てに「うちではやったことがない」という発言まで出る始末。
(どうもこれは、イヤだと言えなくて遠まわしに止めさせようとしている状況・・・)

いつもと同じ話です、「車検整備」は登録料とか点検整備といった手馴れたメニューで効率良く回るように工場自体の運営を行っているワケですから収益性の悪化要因となるような「故障でもないのに重点整備」というある種特殊な作業は「現場の手間と時間の割に効率が悪い」という事なのでしょう。

ただ、トヨタ店のサービスマネジャーさんともお話しましたがヘッドを捲って見ないとその後の行方が分からないというのは間違いのない話。
ただ、私の予想としては「幾ら飛ばしていたとしても低速高回転ではありませんからオーバーヒートさせた事も無いはずなのでヘッドの歪みは無いでしょう」もしもあったとしたら、その時に考えましょう。という事で、結局またもやトヨタ店での作業となりました。
10年20万キロのクルマに何十万も掛けるのは無駄だというのも一般的には常識的なアドバイスでしょうから仕方がないですね、ただ、私は年間4万キロ位走りますから先日載せ替えたメーカーリビルトのATMの事もあって「あと2年調子良く頑張って欲しい」という目標があります。



恐るべしクラウンバン

遂に最終的なオペとなるでしょうクラウンバンD。
ガスケット交換とはいえエンジン本体にメスの入るのはコレが初めての事です。
「さて、中身がどうなっていることやら・・・」(^○^)
あとはヘッドの歪みやタペットの異常磨耗コンプレッション抜けとか無いことを祈るだけ・・・。
「ヘッドに異常があればケータイします」というサービスマネジャーJ氏に
「捲ったら中を見たいのですぐに来ますから呼んでください!」
と仕事に戻る私。

翌日のお昼過ぎ「外れましたよ、ヘッドに異常はないです。ガスケットだけでOK!タペットその他も異常無しです」(^○^)
補器類を全てというほど取り外されたエンジンルームに私の見たものは
ウォータージャケットには内部にしか錆びの無い美しいシリンダーヘッドとピストンへッドにぴかぴかのシリンダー面。
(勿論多少の磨耗はあるようですが)

良かったね―、良かったね―。

「ミリテックが12万キロからの10万キロで果たした効果」というのも今更のようでおこがましいですが、少なくとも「ミリテック」の使用によって悪くなるものはないという事を実証できて非常に嬉しかったです。


今回の整備ではヘッドガスケットの交換と併せてタイミングベルトとテンショナー、ベルト3点セット、それにWaterPump&FanCouplingとエンジンマウント、ミッションマウントという豪華なメニュー。

これで30万キロまでまっしぐらです。
(^○^)



7月の初旬にこの整備を終えたクラウンバンにはこの所毎日通勤でお世話になっています。先日「ふと」気付いたんですが3年前のエンジン音に戻った感じですね・・・。
高速なんて静か静か。
アイドルは硬い音になりました。

即座にSAE30のCDでフラッシング。
で、やっぱりトラック屋さんが70〜80円くらいで買うオイルだけあって上は回りません。
でも通常は静かなものです。重点整備のおかげですね。(^^ゞ
その後800km走行後にこのオイルをTOTAL/GT1(CF/10W30)に変更。

19日にはエレメントを交換して何と贅沢にもレッドライン10W40!
遂にここまで来たクラウンバンにエールのつもりで入れてみました。(^^ゞ

レッドラインは10W40でも相当柔らかい感じという話はレッドラインの説明でも書いていますが、このオイルがディーゼルの22万キロNAにはどうなのか?
とても興味ありました。

で、結果的にノイジーになるのではないかという不安は全くはずれて「メチャクチャ静か」です。それでもやはり、軽い印象のオイルという性格は前に出てきますね。
ただ、シントロンの重さが醸し出していたトルク感は全体にひときわ軽いレッドラインとは違ったフィーリングです。シントロンの場合は独特の重さもあって滑らか感に拍車がかかりますがレッドラインは超軽シャビシャビでありながらスルスルのツルツル感。
トルク感というのとはチョット違うんですね。とにかく軽いです。それとNAのDieselですからもともと上は回りません、軽く回るオイルを入れたところで本来のレッドラインらしい部分は味わえないワケです。その意味では「ただの贅沢」のようにも思えますが「この静粛性」というのは何しろ凄いですね、普通はオイルの粘度に頼る系統のものです。
ま、何しろAWに乗らなくても毎日ストレスが溜まらない状態で平日は当分クラウンでの通勤となりそうです。いや、ホント、非常に快適です。

「やって良かった重点整備、病んで止まれぬよもやま話。」・・・お粗末!



このクラウンバンDは私が結婚する以前から乗っておりましてこれで10年と半年近くなります、当然家内よりも古い仲。(爆笑)

それでも今回の整備でここまで甦るとは、私としても驚いております。
結局エンジンの内部には全く触れていない訳ではありますが、ここまで甦って元気になって、一体何処まで元気になるんだ?!
おいおい、そろそろ勘弁してくれよ・・・。レガシィ乗りたいんだから・・・。(核爆!)

久しぶりのよもやま話でした。
面白かったですか?
(^.^)


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