「よもやま話・45」
初めてのアリシン
シーラカンス号にアリシンを入れたら・・・。
このエピソードは「ディーゼルの場合特にこういった傾向が見られる」というアドバイスの為に書きましたが、
ガソリン車の場合にもこれまでのオイル管理によっては似たような症例の報告があります。
ガソリン車の場合も、特に状態の酷かったチビクロ号Todayの話も最後に少し触れることにします。
まずは、ご存じのシーラカンス号2004年1月末に香川へ嫁ぐまでの話ではありますが、
アリシンの清浄分散性能に関してメモリアルな経験をしましたのでご報告を致します。
シーラカンス号のアリシン初体験
アリシンを初めてこの車に投入したのは、2002年夏の小松Bb合同オフに出掛けた後のある夏の日の事でありました。
その時点まで使用していたオイルはRedLine20W50+Na10(60ml)
初めてアリシンを使用するにあたって選択したのは若干の軽めを狙って15W40。
レガシィとMPVでガソリン車へのアリシンでオイシイ目を見ている私は(さぞかし)とか(しめしめ)とか
いわゆる舌なめずり状態でワクワクしながら
オイルとフィルターの交換を行って、待望の帰宅時間。
「んー、思ったほどの事はナイ・・・(汗)」
なんだろなー、ガソリンだとあれ程に良い結果を見ているアリシンもディーゼルには大した影響を及ぼさないのか・・・。
時々乗ってみてはあまり冴えないシーラカンス号の様子に悶々としたまま、時は過ぎるが距離は伸びない。
(乗るたびに快適性の問題が浮上して、しばらく乗りたくなくなる。これの繰り返し)
秋口になってシーラカンス号石垣島縁組みの話も浮上して、気分的に見切りをつけてしまった私は
ピカチュウ号を購入して任意保険を乗り換えてしまいました。
一方、哀れかなるかなシーラカンス号・・・、
そのまま石垣行きの縁談が破談となって「車検はあるけど保険がネ・・・」状態で1月末までの3ヶ月間
自宅の前でさらし者になっておりました・・・。(T_T)
「まだ乗れるんだから、乗りましょう!」(^_^)b という話になったのが2003年の1月末で、
香川へ嫁ぐまでの1年間を不死鳥の如く蘇って見せたのが恐ろしいかなアリシンの洗浄効果に因るモノでありました。
新規で保険に加入して
久々にエンジンを始動して乗ってみますがノイズはヒドイし、振動も多ければ走らない。
「もしや、エンジンオイルはどうなっているのか??」
気になった私はディップスティックを抜いてみる・・・
ギョェェェェx〜〜なんじゃこりゃぁ〜〜!!!
まるで新川か堀川のヘドロです。(名古屋のヒトにしか解らない)
いわゆる都市部河口域に見られる汚泥に似た砂泥のような
グロテスクでドロドロと粘性を示すような真っ黒の・・・。
いわゆるヘドロをイメージ頂くと「そのまんま」です。
慌てた私は急遽オイル交換を企てますが、ウチにはアリシンしかない!です。(苦笑)
「やっすーい、安ーいDゼルオイルを買ってきて作業をしようか」とも思いましたが
近所のホムセンが激安オイル交換「オイルをいくら使っても1800円」とか広告をしているので
そちらでの作業をお願いして「オイルフィルターもねっ!」と、俄に「お願い君」。
そういえば社外のゴミみたいなフィルターにしては1500円とかしましたね、勿体ないですが我慢です。
作業の間は売り場を冷やかして、作業の完了したエンジンルームを点検すると・・・
「何したの??」(*_*);
タペットカバーからエキマニからステアリングギアBOXから
ゲロゲロにベトベトのオイル散布状態・・・。テメェなぁ〜・・・。
スキルが低いというよりも「ナイ」に等しいバイト君の作業でなくちゃ、
そんな値段で作業は出来ないよね・・・。
文句も言わずに諦めてホムセンを出ますが、驚いたことに強力に快適!になっているんです。
おんやぁ??使用するのはCFクラスにしても粘度は10W30の筈だし、
6L使っても1800円ならば
値段からして「地底のソコから3cm上」程度のオイルの筈です。
「静かだしー、よく走るしー・・・。」独り言をいいながらそのまま名古屋まで・・・。
オイルをチェックすると確かに10W30程度の粘度にディーゼルらしい黒いオイル・・・。
一度で綺麗にはならないよね、少しだけ様子を見ましょ。
という事でそのまま500km位走りますが
このエンジンに10W30がこれほど快適と思ったのは新車当時以来だったと思います。
そこで、アリシンの再登場でありますが
粘度を一緒にして様子を見たいという気持ちが働いたので、敢えて今回は10W30でもう一度オイルフィルターを交換。
使用したフィルターはご存じタクティのDJ、いわゆるトヨタのセカンドブランドです。
アリシンの10W30
「おっどろいたネェ〜〜〜!」
今度のアリシンは期待通りです、静粛性は格段にアップして抜けるようなフケ。
でも、24万キロ酷使しているエンジンに10W30は軽すぎて上の方で粘度負けをしている気がしたので
このオイルは200kmでドレーンアウト。
抜いたオイルは黒く見えますが、ティッシュを浸してみると薄いグレーです。(しめしめ・・・と名案の浮かぶ私・・・)
オイルタブに貯めたオイルを別容器に保管して、次なるオイルはアリシン20W50。
わたしゃぁ惚れましたゼ。
現状のシーラカンス号には20W50で決まりです。(いーですか、香川の婿殿!)
まったりと静粛な、ジェントルで居心地の良い、更に低域からの立ち上がりは若者で、そのうえ限界まで逞しい・・・。
まさに「願ったら叶ったり」(笑)
何と表現するかなぁ・・・その後シーラカンス号に乗るたび私の脳裏をよぎるイメージは
やはり不死鳥。これまでも何度私の前で蘇ったことか・・・。
ある種崇高なイメージすら心に焼き付いています。
思えばフル(古?)フレーム構造のクラウンバンは古き良きおベンツに似た乗り味であったこと、・・・忘れはしません。
・・・ワゴン様はダメですよ、フレームが途中で終わっています。(^_^;)
(気付くと感傷的になっている私、表現は悪いかも知れませんが「悪法の餌食」と思うと悲しくもなります)
嫁入り後には一部でシーラカンス改め「名古屋のバァ様」とか呼ばれているようですが、
元気ながらご老体です、そろそろオイル交換してあげてよねッ、婿殿っ!!
※思い起こせば以前にRedLineの清浄性能は高い方、と評価していましたが
実のところアリシンの清浄分散性能はまるで比較にならない程に半端でない事がお分かり頂けると思います。
加えて、RedLineを継続使用していても
そこに添加したNa10が遥かに高い清浄分散性能を持つ事は以前に述べました。
つまり、RL+Na10はかなりの清浄性能を持つ筈ですがシーラカンス号のオイルは
アリシンの使用によってヘドロと化しました。
この事実関係が何を物語るか、賢明な皆様にご説明を申し上げるまでもありません。
さて、200kmでドレーンアウトした先程のアリシン10W30の行方です。
こちらは2002年の初・高畠オフにご同行を頂いた友人Nクンの所有する
3Lハイエース4WD・GL5MT10万キロ選手のフラッシュ用に進呈致しました。
作業指示は以下の通り
1.現在使用しているオイルを抜いてアリシン10W30(廃油?笑)を規定量(新油も足して)入れる。
2.1000km走行後に安物オイルでエレメントと共に交換。
3.500km走行後にアリシン20W50でエレメントと共に交換。
彼からのフィードバックは私の体験とほぼ同じでした。
初めてのアリシン10W30は私の廃油でありながらも期待通りに極端な清浄性能を発揮してくれて、
一旦はエンジン音と騒音の増大に泣いたそうです。
「次回入れたホムセンの安物オイルの方が良かった」というのも正直な感想だったと思います。
で、
騙されたと思ってアリシン20W50を入れたところ・・・、
「走らなーいっ!」というご感想・・・。「???」
「ナヌー??」驚いた私が聞き返すと
「発進時に後輪が滑って前に進まない」という意味でした・・・。お粗末!!
その後、随分と経過してこちらも「いい加減オイル交換したら?」と意見するのですが
多少うるさくなってもスモークは全く出なくなったままだし、よく走るのだとか・・・。
「いや、エンジンちょっとヤバい音出てるよ・・・。」というのですが
そういえば、まだオイル買いに来ないなぁ・・・。知らないぞー。(笑)
引き続きTodayのお話へ
2003年の春に9.5万キロで入手したH3/Ri−Zs
それはもうタペットの中はじゃりじゃりのスラッジでゴテゴテ、こりゃぁピストンリングまでスラッジ詰まっていそうだね・・・
という見解が大勢を占める中、その日暮らしみたいに投げやりに付き合っております。
入手時にGSの安いオイルで500km走行後オイルを見ると焦げ茶色。
最初に投入したのが無謀にも<<0W
こちらは愛嬌のようなものだったのでスグに交換しましたが300km程でまた焦げ茶色
その後は0W20を標準としてこれまでに4回ほどオイル交換をしています。
2000km未満でオイル交換をしますが毎度オイルは焦げ茶色、
なんだかんだいいながら高畠にも行きましたので1万キロ走行して距離は10.5万になりました。
オイル消費が徐々に激しくなって来ており、2000kmも走らないうちに1Lをロストします。
もともと気になるほどブロバイ量が多いのですが、シリンダーを詰めていたカーボン・スラッジ・ワニスが分解されて
更に圧縮ヌケを引き起こしている模様です。
当初の事を思うと改善はしていると思えるのですが、いずれにせよ瀕死の状態に酸素マスクを装着して
土に帰る日を待っている状態に似ていますか・・・。
圧縮のヌケがかなり深刻な模様だったので
アリシンの粘度を一気に15W40まで上げてみました。
もしも重たければ<<0Wなどで粘度調整も目論みながらで
15W40による重たさでトルクの痩せるフケの悪い症状などが出ると予想をしたのですが、
実はマンマと騙されてしまいました。
ゼーンゼン元気に、むしろ雰囲気は若返ったくらいです。
燃費にも変化はナシ・・・。
これは・・・もっと重たくしろという啓示?
私は自家用に残してあったNa10を徐々に増量して粘度を上げて行く・・・
最終的には150mlのNa10を投入です。
・オイルの全体量は2.3L程度ですから頻繁なオイル交換も苦にならない量なので色々とテストを行う気にもなるんですよね。
しかしながら、15W40にNa10を6.5%は流石のチビクロ号もネをあげました。
「重たいよぉ・・・オヤジ」
そこで
「15W40にNa10を6.5%」が20W50よりも重たいのかどうか??
を試してみたくなり、緊急に20W50を処方。
結果は「15W40にNa10を6.5%」の方がかなり重たい・・・。
ということは、
20W50でも尚、更に粘度を要求していた訳で、
私は「一発賭け狙い」でNa10を50mlほど入れてみます。
「ドンピシャ!」
当たりです。つまり、20W50+Na10(50ml:2.2%くらい?)
現状コレで乗っている分にはオイル消費は減少しているように思えますが
走り去る処を観察していたら青い煙が出ています。
やっぱりオイルが燃えているのね・・・。
(^_^;)
それでも
通勤燃費は頑張っても13程度だったのが頑張れば15近くは行く様になりました。
けど、Kを踏まずに扱うのも返って疲れます・・・。
踏んでリッター10となってしまうならばレガシィに乗っていた方がラクで燃費は同じという悲しい構図です。
コンプレッション抜けの多い車はどうしても「アクセルON過多」気味となるせいでしょうか、
シリンダーウォールから抜けたガス(つまりブロバイ)も増えるせいで再度この「油煙」ごと燃やしてしまうので
オイルの消費が増える傾向だとすれば、大人しく走ればオイル消費は減りそうにも思えます。
ただ、
コンプレッション抜けもココまで進行していると致命的な内臓疾患ですから
非ニュートンまで用いて大人しく走っても燃費効果は比較的薄いのかも・・・。
限界を感じつつもフェルポンの入れ替えなど模索する昨今です。
(フェルポン入れ替えで燃圧回復・・・疲労回復効果があるかも?)
これは事前に燃圧チェックって出来そうですね・・・、ホンダさんに聞いてみます。
ちなみに、ディーゼルのオイル粘度等に関して
最近こんなメールのやり取りがありましたのでご参考戴ければと思います。
> miniチェンジャー頂いたSです。
> この商品は通常の金属製のパッキンは使用しなくて、そのまま(チェンジャーについ
> ているパッキン)使用すれば良いんですか?
パッキンはミニチェンジャーに付いていますから
それまで使用されていたガスケットは不要になります。
複数のガスケットを重ねて使用した場合には
オイル滲みや緩みの要因が増すだけ
ということになります。
> また、アリシンを0w30で使用しょうと思うのですが、(現在10w30使用少し
> 重たく感じる)
そちらの状況を把握していないので「例えば」という話ですが
初めて入れたアリシンの10W30が不快であるという印象であったならば
「アリシンが洗浄をした汚れが再循環している」可能性が非常に高いです。
オイルがヘドロみたいになっていないでしょうか?
もう一度同じ粘度でオイル交換をされると「別物」になるのではないかと・・・。
勿論フィルターも同時に交換して下さい。
「安物のオイルで濯ぎの為のオイル交換+フィルター交換」を挟んで
500km程度走ってから
もう一度「アリシンとエレメント交換」が一番のお薦めです。
無駄が少ないのと、汚れの無くなったディーゼルオイルを見ると嬉しいですから。
> 夏場は0Wでも問題ないですか?
ディーゼルに「0WXX」は真冬でも無用だと思います。
夏場はその分だけリスクになりますが
ディーゼルの本質を考えたときに
オイルの軽さがフケに貢献してもエンジン側の特性が頭打ちですから
欲しいレンジでどれだけトルクを太らせるかに振った方が得策です。
結果、シーラカンス号は真冬も20W50になりました。
コレは勿論名古屋の環境温度での話です。
エンジンの消耗具合と相談しながら
実際に色々とお試し下さい。