「よもやま話・17」

省エネと排ガスの浄化は時代の要求

庶民の独り言・・・。単なる愚痴?でしょうか。


こちらのペ−ジの常連さんは「新車」から「旧車」まで様々です。「車好き」にとってその車が新しいか古いかが偉いとか偉くないという問題ではない訳で、それぞれの価値観でその車を愛し、いたわっておみえの筈です。
それは前のペ−ジにも書いた話で「その持ち味」を愛する部分ですよね。例えば、ポルシェはやっぱり空冷がというこだわりがあったりという話です。

たまたま愛車が旧車という方には誠に残念な話ですが、この度東京都は「環境対策」として「10年以上経過した車両に対して自動車税を増税」し、逆に新車のうちでも省エネ・排気ガス減少の為、特に貢献する「新規格エンジンや電気自動車、ハイブリッド車には減税」という措置を提案しており、順次他府県にも働きかけて行く方針という事です。

しかしながら燃費の問題や排ガスの問題が十把ひと絡げに「10年」という枠で括られてしまうのはいささか乱暴な気がします。(巧妙な策略か、単なる無知か、それとも頭が悪いか?)(^^ゞ

既に皆さんはご承知の事と思いますが、燃焼の効率や有害ガスの問題はユ−ザ−のメンテナンスと密接な関係を持つ事と、使用状況などの差によって10年間でどれほど機械的な損傷があるかはその車両によって大きな差が生じます。要するに個別に審査する必要があるのではないかということです。

10年前のコンセプトである事が否めないにせよ「良い状態のもの」と「そうでないもの」を同様に評価するのはやはり乱暴で、これは行政サイドとして「楽な方法」を選択しているとしかいえません。

「10年経ったら買い換え」を促す事で「減税効果を詠いながらむしろ新車の販売による経済効果」を見込んでいるものでしょうから税金を収集する事を目的としているとしか解釈できない訳です。その意味では行政サイドにとって「一挙両得」となる訳ですが、行政が楽な方法を選択する事によって「苦」を強いられるのは当然庶民サイドです。

例えば酒税の見直しでビ−ルの税金が上がった為、庶民が「発泡酒」へ走れば、行政はビ−ルと発泡酒を区分する麦芽使用率のボ−ダ−を変更して発泡酒をビ−ル枠に取り込もうとします。そうした興亡の末、現在の更に軽い発泡酒が流通している訳ですがアルコ−ル度数を高くして人気を得ようとしている為、だんだんビ−ルというよりはどちらかといえばだんだん酎ハイに近付いてしまった様に思います。税金を取ろう取ろうとする行政に民間の商品がねじ曲げられてしまった好例ではないでしょうか。

話を戻して、それでは行政が「苦」を担う場合(ではなくて「フェアな」場合ですけど)はどうかというと:

行政が「個別の排気ガスチェックを徹底的に行い、環境阻害要素を撲滅する」事です。(是非そうして欲しいですね)

自動車メ−カ−は「新車を供給する事だけで省エネ・環境保護に貢献するのではなく、これまで製造・販売してきた車両に関しても責任を果たすべき」だと思います。つまり、既に運行している全ての車両に関してこれの排気ガスを厳しくチェックする事が望まれる訳です。

話の本筋からいえば、省エネと排ガスの浄化は現状蔓延する元凶を断つ事が命題の筈ですから現実的な話、どちらを先にするべきかは自ずと分かるハズ。
それは行政とメ−カ−に限らず、実際に車両を運行する全ての現場が協力して務めるべきものでしょう。

両方を並行して徹底的に行うというのなら分かりますね。

どうしてもパスしない車両を運行する場合は高額の税金を支払う事としてそれらの減少を促すものですが、良識的に正論をいえばパスしない車両は高額の納税をしたとしても運行すべきではないでしょう。

以前、ホノルルの市内で前を行く旧型車の排気ガスが非常に辛かった記憶があり、「車検が無いから?」と思っていた訳ですが、実際にはハワイとオクラホマだけがこの「排ガス検査」を義務づけていない州だという事で納得しました。オアフに関して日本人観光客の多いところは特に「作られたパラダイス」ですから、今更環境を守るなんてことは必要ないとでもいう認識なんでしょうか・・・。

ま、何しろ東京都その他所轄のお役人の皆さんにもこのペ−ジを良く読んで頂きたいものですね。(^^ゞ

という事で、一庶民の大きな愚痴でした。


平成11年3月9日追記:

先日、来年度のトヨタ自動車の減産が報じられました、10%の減産です。その後、報告された統計の数字によれば「今年1月の普通乗用車の売り上げは「対前年度比10%減」ということです。

当然、業界は騒然としている訳ですが、この話は「一番強い強気のトヨタが10%の減産」を表明しているところに意味があります。(この生産量の水準だと自動車製造の業界は20年ぶりに採算ラインを割り込むといわれています。)

K カ−は11月の新規格で伸びていますが、これらの伸びは全般に良くない事の証ともいえる訳で、Vitz を投入したトヨタでさえも10%の減産を表明していること、つまり一番強いところが弱気という事はその他は更に苦しい場面を強いられていると予想できます。(その他メ−カ−さんごめんなさい!)

これまで、トヨタはどんな状況でも利益を上げてきました。この減産でも結果「ノックダウン」などの輸入車を販売する事で利益は確保するのだと思います。「安く作って、高く売る」のは鉄則ですからね。これで、国内の下請けさんもその分仕事が減る、従業員の賃金もカット。景気は更に低迷。

一般論としての話です。

で、そうなるとどんな状況かというと・・・、

日本国内で「購入する新車」は「購入した円が海外に支払われる」という現象が起こりますね。
つまり、自動車という高額商品を購入しても国内の経済を直接活性化する要因には働きません。

還元されない円は「その他の業界」にも流通しませんから「不況」の状態は改善しにくいわけです。

それは、ある程度の「新車購入」があっても、それだけではなかなか経済は回復できないという事です。

この仕組みを考える時、

「どんどん新車を増やして、環境問題を解決して行こう」とする行政サイドの考え方はやはりかなりの無理がある。といえそうです。

相変わらず、かつての手法で解決できると「タカをくくっていた」住専処理問題と大差ないな・・・。と感じてしまう訳で・・・。

低公害車はどんどん出てきてそれ自体は結構な事です。

ただ、本当にみんなが新しいものに買い換えるという事が今迄以上に困難になってきている状況というのを、今回の統計とトヨタの発表で改めて知らされたような気がした訳です。

なかなか難しい話題になってしまいました。
経済企画庁長官でさえも頭を悩ませている問題ですから私がどうの、といえる話ではありません無責任な問題提起に聞こえてしまうかも知れません。

だからこそ私は自動車というものとメンテナンスをもう一度考え直して頂きたいと願って止みません。


ちょっと堅苦しい、それでまた暗い話題でした。ごめんなさい。


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(99年2月21日)(99年3月9日)