「よもやま話・26」
シトロエンのLHMと「0−1」
Hydrauric System であるLHMについて
平成11年7月14日
平成11年7月20日:追記
シトロエンのオーナーさんはかねてから0−1・ユーザーさんが多いと思っていたのですが、ディーラーさんオススメの「マ○ク△ロ□」が一番という方も未だにおみえになるようで、
「マ○ク△ロ□をLHMに使用していますが、「0−1」はLHMに使えますか?」といったご質問も多く戴いておりますのでご説明申し上げます。
逆に「LHMに「0−1」を入れるのは不安がある」といった声もあります。
でも、そこに「マ○ク△ロ□」を入れてしまった方もおみえになる訳ですが・・・、
(ディーラーさんも罪ですよねぇ・・・。)
・・・で、「何も変わらなかった」という話もよく耳にするんです。
「じゃ、何もなくて良かったじゃあないですか!」というのですが(笑)、
投資は無駄に終わっている訳ですからやはりお気の毒です。
「0−1」はエアコンのコンプレッサーオイルに(R12及び134aの冷媒共に)使用できますが、
コンプオイルに「清浄分散成分の無い物」の使用を規定してる場合を除きます。
「マ○ク△ロ□」にもエアコン用というのが出ておりまして、これの話も良く聞きます。
で、やっぱりこれも「何も変わらなかった」という話をよく耳にするんです。
困ったもんです、高けりゃ効いて欲しいですよねェ、全く・・・。
「Great for Hydraurics!」
まずはハイドロへの導入について。
つい最近XMおよび Xantia
のオーナーさんからこのLHMへの「0−1」の効果についてご報告を戴いておりますのでお知らせします。
どちらのオーナーさんからも共通して:
「アキュミュレーターの反応が早くなり、エンジン始動後に正常な車高になるまでの時間が約半分近くなった」と聞いています。
実際にはXMが60秒から30秒に、Xantia は90秒から45秒(いずれも約)といいます。
「乗り味」での変化はこの「アキュミュレーター」の作動が敏捷になるせいだと思われますが「サスペンションがフレキシブルになった」という表現をされています。共に好印象のようです。例えば Xantia の場合はLHMのフルード量が5.7リッター、
「0−1」の Hydrauric System への推奨添加率は1.5%です。
この方は最初1%の「0−1」を投入後15MLずつ追加して様子を見たという事ですが、追加する毎に「しっとりする」という表現をされています。
現在2%までドーピング量を増やしたが問題ないという事です。
ただし、一般的にはブレーキ・フルードも兼ねている事を考えるとメーカー推奨添加率以内の方が安心だと思います。
ただ、この方はかなり飛ばす様子で「高速でのブレーキングテストなども繰り返す中でフルードのフェードという問題以前にブレーキ性能そのものの能力不足の方が気になる」という事でした。
エンジン、ATMに関する変化はこちらのページでは沢山ご紹介しておりますから「0−1・体感証言」という意味では月並なものではありますが
「思わぬスルスル感に驚いた」
「メチャクチャスムーズで快適」
「ATMのショックが激減して驚いた」
「静かになった分だけアキュミュレーターの作動音が苦になるようになった」などですが、
「フランス車の金属面の精度がここまで「0−1」を欲しがるとは思わなかった」というコメントが非常に印象的でした。
「エンブレの効きがが悪くなる感じ」はやはりスルスルと滑る様な感じで体感できるようです。
実際にはこちらのページで表現している様々な「0−1」の体感効果は「私が感じたこと」というよりも「0−1」・ユーザーの皆さんがおっしゃっておいでの体験談等を分かり易くご説明している訳です。
中にはこの体感を「自由空間に飛び出したグライダーの様な感じ」と表現される方もみえます。
「大袈裟なっ!」というよりは「おぉ、そういう表現もあるなあ・・・」と、聞いたこちらの方が感心したりもします。「エンブレが効かなくなったら危ないじゃないですか!?」という勘違いもあります。
あくまでも「効きの悪い感じ」であって全く効かなくなる訳はないです。
(でも、ボーッとしていると危ないかも知れない。ボーッとしていれば危ないんですが・・・)
ちなみに、「反ってアキュミュレーターの作動音が苦になるようになった」ということですが、従来のそれよりは幾分静かにはなっているのではないかな?という気はします。でも、小さな機関で大量のフルードを扱いますから仕方のない話なんでしょうか、いずれにしても
XMは Xantia に対してハイドロのポンプ容量が大きく能率が良い為、もとから「早めに仕事が終わる」傾向はあるようです。
ちなみに、現行の新型車はエンジン停止後も車高は維持するということです。
ついでながらお聞きした話です。
シトロエンのLHMは従来からハイドロ・ニュー・マチックで知られております通り、パワステからブレーキ、それにこの油圧式アブソーバが共通して同じ作動油で機能しています。
「アキュミュレーター」は4年4万キロ程度で交換するのが常識のようですから直感的には「維持費が高い」と認識されがちですが、一台に7個程使用しているこの「アキュミュレーター」の単価は7千円程度という事ですからこの部品代は5万円程度。
普通のクルマでほぼ同じサイクルでショックを交換すると思えばさほど高額の出費にはならないそうです。これの定期交換を怠るといきなりLHMのフルードが漏れて飛び散り、ステアリングが重くなるばかりかブレーキが効かなくなるという事も実際に起こるようです。
是非充分なメンテナンスで可愛がってあげて下さい。安全に!!
平成11年7月20日追記
シトロエンのLHMに関して情報を戴きましたので以下掲載させて頂きます
0−1・ユーザーとなられる前にシトロエンにお乗りだったという、現在はロドスタ乗りの横浜のCaycyさん。
いつも、ばっちりピントの合ったメールで一緒に盛り上がっています。
いえいえ、クルマが好きだっただけで(^_^;)
と、ご本人は謙遜しておいでですが・・・、
シトロエンのハイドロのドーピングで一つ有名なのがありまして、
「ストラットにシリコングリスを塗布する」というのがあります。
車高を最高にして、ストラットのゴムのブーツの中にあるストラットの金属面にシリ
コングリスを塗り付けてから車高を2〜3回上げ下げしてみる・・・・
これはなかなか好結果で、びっくりしたものです。
わずか数百円で出来る素晴らしいメンテでした。
それを考えると0−1をLHMに・・・というのは
すごい結果が期待できると思うのだが
いまは自分のではないので・・・・(泣)
いいと思うのだが・・・。
ハイドロ系の記述ですが、アキュムレーター(スフェア)の個数ですが、
従来からあるハイドロニューマチックは5個です。
各輪1個、中枢部に1個です。
XMから使われたハイドラクティブはおっしゃるとおり7個ですね。
ハイドロニューマティックの構成に、
更に前輪向けに1個、後輪向けに1個をプラスしたものです。
追加分のスフェアはアディショナルスフェアといい、
ダンピング機能がないのが特徴です。
これを追加することで、エアスプリングの役目を持つ
窒素ガスの容量を増やすことで、サスペンションが更にソフトになるんです。
コーナリング時やブレーキング時など、
サスペンションをハードにするときは、
このアディショナルスフェア直前のバルブを閉じ、
LHMを流れなくすることで、ここの機構を殺し、サスを硬くするわけですね。
更に、このバルブが閉じることで、左右の両輪の関連懸架も切られ、
コーナリングのロールも少なくなるそうです。
シトロエンの本を見れば一発でわかります(^-^)
どちらにしても、ハイドロって
消耗部品を先回りして交換すれば
そうそう壊れる物じゃないです。
シトロエンの場合、経験上一番心配なのは意外に電気系かなと思っています。
アース不良とか・・・。発生したら見つけにくいんです。
>スフェアはLHMの流動経路をボーリングする事で懐を深くするといった改善をやる方
>が多いようですね。
これは昔よく言われていました。
ただ、やっぱりダンピングが不足気味になるようです。
原理上しかたないですよね。
埼玉の英田舎などで販売してるんですが、
ベルギー製の「コンフォート・スフェア」というのがあって
これを使っている人もいるようです。
更にフワフワな美味しい乗り味になるようです。
ダンピングまで犠牲にするのはプロの仕事ではないので、
「穴ほじり」してるとは思えない。
窒素ガスの容量を多くしてるのかなあ?と思いますが、詳しくは分からないです。
ということで、横浜のCaycyさん、ありがとうございました!
で、どこかに書いたかも知れませんが:
他の添加剤の話になりましたのでこのところよく頂くお問い合わせに関するオハナシをもう少し。
引き続き「マ○ク△ロ□」&PTFE,TFEに関して:
ディーラーで売っている「マ○ク△ロ□」は高くて手が出ないけれど「PTFE」が効くらしい。それなら雑誌に載っていた「テフロン・パウダー」が安くてグッド。
「シトロエン乗り」の方のHPでそんな話が紹介されているという事ですが、やめてくださいね。(爆笑)そんなに、テフロン・パウダーが好きなら「WAX用」にこちらで用意しているのと同じものですって。何度も申し上げているんですけどねェ・・・。
私の力不足という事なのでしょう、再認識させられてしまいます。
いえ、「テフロンは効果がない」とは言っていません。
「殆どない」と申し上げているんです。そして弊害もある。
もしも、「マ○ク△ロ□」の効果を体感して「最高だ!」
とおっしゃる方がおみえでしたら是非だまされたと思って「0−1」を試してみて下さい。
きっと「マ○ク△ロ□」を販売していらっしゃるディーラーさんにも教えてあげたくなりますよ。(笑)
マツダ系ディーラーさんでも「SX・・」を販売しています、有名なQMIブランドのPTFEです。「SX・・」は日本向けのトレードネーム。
「0−1」のお話をしたところ「ウチも添加剤はSX・・というのを置いてますよ。私も試しました。」」とおっしゃるので
「オイルは長持ちしましたか?」と尋ねると答えは「NO!」でした。
そうでしょう、そうでしょう。
詳しくはのちほど、最後の方に。
同じフランス車ですが、プジョーのディーラーさんで伺った話、
「クルマに手を掛けるお客さんの半分はマ○ク△ロ□を使って頂いています。」ということで、「マ○ク△ロ□」のルート・セールスがおっしゃるのは
「マ○ク△ロ□の効果を体感できるヒトは少ないと思いますが、保全の働きとしては絶大な効果があります」とかです。(ほー、それじゃどうして投入して1500km程でオイルを交換する必要があるんでしょう?)
「0−1」に関して:
最近は銅板テストの話も話題にならなくなりましたが、銅を黒く変色させるものが塩
素系であるという事が「大前提」としての話です。
「0−1は黒くなるので塩素だ」という話が今更のように聞こえてきた時期がありました。
別のところにも銅板腐食テストの結果は報告していますが、0−1はシロです。
この件に関してはこちらのページでも「燃焼性塩素として反応する成分が28wt%あります」と公表しておりますし、0−1社の公式発表としても下記の表現がしてあります:
「0−1の腐食防止機構の成分は通常知られているいくつかの塩素反応のテストで塩素と同じ反応を示す事でのみ確認できるが、その正体は特許出願中という形で守られているトレードシークレット(大意)」
この話からも実際に銅板は黒くなると思います。問題なのはその先その部分が腐食するかどうかという事だと思いますが「黒くなるのは「0−1」が表面に作用した証拠」でしかありません。
塩素が問題視されるのはそこで発生する塩素酸(Hydrochloric Acid)が腐食を起こす元凶であり、その後に摩耗を促す危険性を持つ為です。
もしも、そこに腐食が発生して、または金属の表面が柔らかくなって摩耗が起こるとしたら12万キロから「0−1」漬けになっている20万キロ超の私の通勤車(クラウンバンD)は圧縮が抜けて既に相当調子の悪い状態になっているでしょう。勿論いまだ殆ど黒煙も吐かずにガンガン走ります。
最高速度も「0−1」導入当時と変わらずスーパーなままです。
0−1社は「燃焼しても塩素(塩化水素)を発生しない」という資料(MaterialSafetyDataSheet)を公表しておりますので何卒ご安心を。
このクルマ、4月からSyntronで5000km程走りました。
これもやはり汚れが非常に少ないので未だにディップスティック・ゲージはオイルの下に金属面が透けて見える状態で透明度があります。普通はディーゼル車の場合、5000kmも走れば完全な墨汁状態になりますから透明度はゼロといって良いでしょう。(普通ならば交換時期です)
5000km現在のこの状態は通常「0−1」未使用のオイルならば1000〜1500kmの状態(見た目)と同程度だと思います。
私はテストの為に結構飛ばしますから(実は朝寝坊のせいです・笑)クラウンバンはかなり気の毒です。
もうそろそろ「暇」を出してあげようかとも考えるこの頃ですが相変わらず調子の良いままなのでもうしばらく「極上の走るシーラカンス」をやっていて貰おうと思います。
(このところレガシィと半々程度に通勤に使用していますのでレガシィもシントロンで5000kmになりました。やっぱりひと月に3000kmは走りますね・・・)
実際に「0−1」をご利用頂いた皆さんはお気付きの事と思いますが
オイルの汚れは極端に減ります。
「どうしてあんなに汚れなくなるのか?」といったご質問も戴きます。
これは排気ガス中の一酸化炭素(未燃焼ガス)が減少することからも分かるように完全燃焼に近づく事で燃料中の不純物を燃やし切った為の効果と、もう一つは金属摺動部での摩擦(フリクション)が減少する事で摩擦熱が減少する為、オイル中の添加剤成分へのストレスを緩和する。つまり燃料中の不純物の残留は茶色系、オイル中の添加剤成分の残骸は黒系といいますから、この両方が減少する訳です
あ、それからもうひとつ。
「ブロバイ・ガス還元」つまりタペットの排圧をそのままインテイクで吸い取る機構が一般的ですからここからも汚いガスが燃焼室内に入ります。これが少しでもキレイならその分汚れも少ない。。
おまけに金属摩耗も減少(これが「0−1」を使用する本来の主要目的ですよね)。
つまり、そこで発生する摩耗金属の酸化物(これも黒系)も減少傾向ですから総じてオイルは汚れにくくなる訳です。
つまり、「オイルの寿命はその分伸びる」。
逆説的に、「オイル寿命が格段に伸びない添加剤は効果がない」といえるのが分かると思います。
「PL−5XX」に関して:
PL−5XXの話もお問い合わせが多いですが、使用後にオイルはすぐに真っ黒になると聞きます。新車でも黒くなるという事は、エンジン内の汚れを落としているのでない事は明白です。塩素化パラフィン系はこうしてオイルが黒くなる傾向がある様ですね。
ちなみにPL−5XXは「PrxLxng:500ML」
”PrxLxng”は「出逢い」にも紹介していますが、0−1社のスポークスマンによれば、塩素化パラフィンのプライベートネームです。
社名のEPLとは Exteme Pressure Lubricant(極・圧・剤)のこと?
始めそれに気付いた時は大笑いしたものです。
かつてはEPLジャパンもPrxLxngという商標で販売していましたが、同じ物が「日本の風習に馴染みにくい方法で販売」されているせいでしょう、ある日「PL−5XX」という名前に変わりましたが、そもそもカナダと日本のEPLの共同開発というところは「?」です。以前こちらのページに書いておりますが塩素化パラフィン、塩素化炭化水素は日本では絶対に生産しない方向のもの(愛知県工業技術試験場・研究員談)です。公害性、腐食性の問題が大きい為だという事です。それを共同開発というのはちょっと・・・。