「よもやま話・27」

チューニング・ショップのオーナーさんと話しました

プラグで体感なんて出来ない??

平成11年7月20日

私のお勧めしている整備レベルのケミカル・チューン、それに点火系のチューニング。
これらは本当に手軽な感覚で安価に、そして大掛かりでなく簡単に出来ることで最大の効果を引き出せるようにポイントを絞っています。

先日、チューニングショップのオーナーさんと比較的長時間ディスカッションする事が出来ましたので色々と意見の交換をしました。



添加剤やらプラグやコード?

うちの客が求めているのはドッカンパワーのターボ・インタークーラーやスーパーチャージャー。
誰でも分かる変化があるでしょ?文句無しですからね。で、儲かる。(つまり高額)

プラグやコードも確かに良いんだろうと思うけれど誰にでも判る変化はないでしょう?
第一プラグは「走る子」にとっては定期交換部品として考えているのでターボ付けたりし時のメニューには入れる事もありますが、その程度かな?

という発言もありました。方向性が違うんですね。

ここでショップのオーナーさんのいわれる「誰にでも分かる差」は言い換えれば
「初めて乗る ' ヒトのクルマ ' でも速いと思う」という意味に近いでしょうから、そもそも比べる対象が違いすぎます。

「ハイコンプにブーストしまくり」 となれば同時点火に専用コードと高性能プラグなどは大抵の場合メニューに入っています。
それと、自分なりに構いまくったクルマを「ミリテック」でメンテナンスすれば本人には分かるレベルの違いが出ますよ、という話なんですがあまりピンと来て貰えないようでした。それよりもネクスト・ステージのターボが売りたいという事になりますか、
基本的にはケアの問題なので「どのステージでも意味がある」んですけれどね。
保全という観念は無用なのかなぁ、体感できる差?(私はわかりますが・・・)
「そんな、安いもの売っても儲からない」といわれてしまうと・・・。(笑)
やっぱり方向性が違うんです。(やっぱり普通の部品屋は儲からないなあ・・・)

 

ターボとなればいくら安くなったとはいえ20−30万円というのが下限のようです。
客単価が高額になれば余計なセールスも必要ない。
それと、「欲しいというものを売ってあげて」それを「取り付けてあげる」訳ですから当然お客さんサイドからすれば「売ってもらって」「取り付けてもらう」
つまり売手市場なんですね。値引きなんてものも殆ど必要ないということで、うらやましい。
(見習わなくちゃ・・・?)
「いや、マージン取らないと。どんな乗り方するか分かりませんからね。」
(・・・そりゃそうだ。)

 

ウチのお客さんはどこの何を下さいって指定して来ます。
”いやこっちの方が・・・、”
みたいな話ってお客さんに相談されない限り言いませんね。基本的にお客さんには逆らわない。
余計な事を言うと嫌われる。
置いてません、もダメですね。(笑)
で、客は「馬力馬力」って言ってきます。

「普段乗れないようなエンジンにはして欲しくないですからね、そんな時は勿論アドバイスします。」ということでした、当然でしょうね。

つまり、ハイレンジの能力がターボなどで上がったとしても普段常用する回転域ではその大型ターボは役に立たないし、ターボの効き始めるまでのタイムラグはむしろトルクがスカスカになる部分がクローズアップされてしまうので常に高域で回している必要があります。そんなエンジン、使いにくくて仕方がない。

「だから常用域でトルクフルなピックアップの良いエンジンがいいですよね。」(そうそう)

 

でも「NAのままで改善するには金がかかる」

「増強」というとすぐにターボというのは簡単で結果が分かり易いのは勿論のこと。
実際にはNAをNAのままで「増強」する方が難しいし結果的に金も時間もかかるというのが結論でした。

 

そうこうするうちにオデッセイにスーパートラップを取り付けてもらっていたお客さんが「ブーブー」言わせながらガレージを出てきました。(うるさいだけで走らなそうだナ・・・)と思いながら見ていると
「あ、付きましたね、良かったじゃないですか!」とショップのオーナー。
「エヘヘ・・・。」得意満面に照れるオデッセイのオーナー・・・(結構オジサン顔)。(^○^)

うーん、あれもお客さんのご要望なんだろうなぁ、抜けが良くなるというシロモノではないですからね。相談されれば彼もお勧めはしないでしょうに・・・。

まあ、そういった「見た目で勝負」もこの手のチューニング・ショップではもう一つの定番人気メニューになっています。
典型的なのがエアロですね。
よりカスタマイズして他にはない自分だけの車にしたい。
そういった指向性とゼロヨンのお客さんは本質的には違う路線ではありますが、私の立場から見ると同じ処にいるように思えます。「同じ処」というのは文字通り「チューニング・ショップ」って事になりますか。(ホントは違うんですけれど・・・。)



プラグに関して言えば有名なHKSブランドで
「HKSイリジウム・プラグ」というのが出ています。
これのベースとなっているのはデンソーのイリジウムパワーで
碍子部分にHKSのブランドネームが入り、端子部分にブラスが用いられて本体にはクローム・メッキが施されています。単価は1900円。


チューニング・ショップという事ですから、もしデンソーイリジウムがあったとしてもお客さんはHSKの方を欲しがようですから高い方が売れるんですね。
お客が高い方を好むという販売現場も実際にあるんです。
妙な気がしますね。(殆ど同じ物なのに・・・)

で、なぜHKSはNGKでなくてデンソーなのかな?
色々と憶測です:
自社ブランドの販売力を持つNGKはHKSへのOEM供給する事のメリットがない為か・・・。(つまり、逆もまた真なり)
NGKイリシリーズがあまりにも高すぎるのでHKSのスペシャルだと高額になりすぎる為か・・・?
でも製品自体が絶対的な強さを誇ればHKSは「より良いもの」を自社ブランドで売りたいでしょう。
だとするとイリジウム対決の「NGK vs Denso」には決定的な性能差は殆どないということになるのかなぁ・・・。
他の方のテストされた「体感テスト」もいくつか聞きましたが私の知る限りではデンソーに軍配が挙がっているようです。
まぁ、もし仮に効果が同じだとすれば安い方が嬉しいですよね。(笑)
ということで、こちらでは「プラグにチューニングを施さない場合はデンソーイリジウムパワー」をお勧めしている訳です


 

若い独身が相手。

彼らは基本的におカネを持っていない。
クルマ以外の趣味のあるヒト、酒を飲む人。これはウチのお客さんにはならない。

クルマ命。趣味はクルマ。酒も飲まない。こういうヒトです。
「もっというならPC買うカネがあったらクルマにつぎ込むようなヒト!」(笑)

「あ、でもそれって時代遅れヨ。今やパソコンは小学生でも使うし、学生も研究室でネットみてる。これからの世代は更に急速に変わりますよ。今は少数でもみんながネットで情報を拾うようになる。早くホームページも開設してくださいよ!」



 

・・・そうして考えてみても私の定番「ケミカル・チューン+プラグ・チューン&シリコンコード」辺りで改善を図るというのもどれほど効果的でリーズナブルかという事が逆に証明されるような気がします。ノーマルを改善する方法というのは商売として成り立たないので誰もメインになど考えなかったという事なのかな?
常用域を改善する方向でメンテナンスする方法は本当はチューニング後にも役立つメニューなんですけれど・・・。
もともとこちらのページへお越しの皆さんは「ゼロヨン・マニア系」の方は少ないようですからまぁいいとして。(笑)


そうですね、私のお勧めする方法が基本的な機能部品のメンテナンスであるのに比べて
チューニングショップで薦められるのは「ドッカン・チューン」。


敢えてこれを魚を釣る、採るという行為に喩えると:

「釣りと漁」
「片や1本釣り、もう片方は投網」か・・・。もう少し差が大きそうですね。
一発ドッカン!という考え方からすれば
「一本釣り」対「魚群探知機+爆薬」位の差があるようにも思います。
でもそれは趣向の問題であり、私の趣味としては一つ一つ問題点を挙げて潰して行くという方法が合っている訳で、

もう一度これを釣りの話に喩えれば・・・:

「1本釣りは魚とのコミュニケーション」
「投網や爆薬は一方的な通告」のように感じます。
つまり「目的が違う」という事です。

このところ私の巷で(HPも含みます)
大ブレークしております「チューニング・プラグ」ですが、
プラグに関しては一般的なイメージが「繊細な部品」だと思いますが、実際「点火しない」のは決定的だとしても、通常これの定番品の輸出価格は1本100円もしませんから、それを考えてみても工業製品としては決して高いものではない。つまり重要なのは「点火する」という基本性能だけの部品です。
その意味から逆にいえばこれの改善点など沢山ある訳です。
プラグ交換が大変なのは「メーカーの都合」であって「替えて欲しくないというよりはエンジンルームに手を入れて欲しくない」というメーカー側の論理で、そうした整備性の悪いエンジンからメカニックを救うのもあってプラチナプラグを標準装備して来たりする訳です。純正タイプは市販のものと違って中心電極だけではなく接地電極側にもプラチナチップを施すといった念の入れ様です。
制作・販売者の意図通りにいう事を聞くかどうかはオーナーの判断ですが、本来オーナーには考える自由がありますからね。

釣れない釣りでもアタリがあればコミュニケーションは成り立ちます。
アタリも何もない釣りはその意味で「ひとりごと」です。(笑)
魚のいないところで釣りをするのは間違いなく「ひとりごと」です。(爆笑)

魚釣りをされる方はまず魚のいる場所を探して下さいね。

いつも言いますが「クルマは嗜好性の強い高額な道具」ですから・・・。


ミニバン系の新型が目白押しです。

どうしても大型のボディになりますから空力特性も必然的に悪くなる、ヒトも大勢乗れば重くなる、もともとの車重もある。という事になれば全般的に「非力」というのが一般的です。
高回転型の小型エンジンという事になれば回ってナンボですから「やかましい」とか「高速道路の登りが辛い」といったストレスは付いて回ります。

その辺りを改善したい、ずっと快調に乗りたい。そういった場面ではこちらのページがお役に立てると思います。

レガシィ BF−3 は色々と弄(いじ)り回して相当気に入ったクルマになりました。
近しいヒトにはこれの改善の度に試乗して頂いておりますが
「こりゃぁ、前のオーナーが乗ったら怒りますよ。」という評価を得られるほどの変化がありました。
俊敏さ、動きの軽さ、いわゆる「運動性能」の部分でも機動性に富んだこのクルマの素性には始終頭の下がる思いをしています。いやぁ、ホント良い仕事してますよ。さすがにベストセラー。

でも・・・、「6人」乗れないんですよね・・・。
子供はみるみる大きくなるし、チャイルドシートの法制化も迫り来るプレッシャー。
レガシィを安心できる里親に里子に出せれば、我が家も遂にミニバンか・・・。

中古車市場ではジープ系4WDの急速な落ち込みに呼応する形でミニバン系の需要が高騰。従って価格も高騰気味です。
5年落ちのガソリン・エミーナX、2WD、6万キロに未だ80万の下取りが付くそうです。
そうすると新車から年間30万程の償却で済んでいる計算になるという事で、一ヶ月当り3万以下ですよ。とおっしゃる方もみえました。
でも、そのまま乗っていると次第にゼロに近づく訳ですから「今売って精算すれば得をする」って話です。車検を受けられるようですから少し勘違いをなさっていらしたかも知れませんが「売るなら今が旬」という事になりますね。

クルマを買ったら、そのまま「乗らずに家の中にしまっておく」と、きっと良い下取りが付きます。年間1万キロ以内で使用される場合は限りなくこれに近い状態で下取りが得られるという事です。

値段が付くうちに下取りに出す、というのはいわゆる適齢期の話です。

使うだけ、ではなくて時々市場の動向を確認しそのタイミングに気を遣うのも上手なカーライフの基本になるでしょうね。

という訳で、乗り換えを迫られる我が家の代替車両候補として最初に持ち上がった大小エスティマの話へ続きます。


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