「よもやま話・32」
カストロールは安売りオイルか?
平成11年10月11日
「よもやま・30」新型MPVの初期メンテナンスがだらだらとしてしまいそうなので「32」で続けます。
ところで・・・、:
カストロールとはいえ、GTX7は廉価版のオイルです。廉価版ですからロングセラーですが、正直いって良いから売れているというものでもないと思っています。
安いから売れているというのが本当でしょう。いわゆるフツーのオイルという事ですね。
今回の用途はお掃除用のオイルですから、充分だろうという選択です。
初期メンテナンスに使用する為「性能が落ちないうちに捨ててしまうオイル」なので高級品は勿体無いと思います。
少なくとも初期段階でレブまで使い切る事はないでしょうし、常識的にも新車の最初は優しく丁寧に馴染ませる努力をするのが当然というのが前提での話です。
で、比較的早いサイクルのオイル交換で
GTX7 の性能が完全に落ちないうちに
Magnatic
に換えましたから、オイル自体の評価を出来る機会を得ました。
表示される粘度性能が同じである割には、このオイル交換で車のフィーリングは随分軽くなりました。
つまり、同じ10W40というオイルでもMagnaticは軽い印象があります、下から軽い印象でしかも高域もそのまま軽い。
大抵の場合感じる事ですが、この「全域で軽い感じ」というのは一般的に評判の良いオイルがそうした印象を与える事は言うまでもありません、
ただし、オイルを評価する場合には本来今の「初期性能」だけではオイルの性能評価にはならない訳で、初期性能がどの程度長続きするかといった事も考慮に入れて観察するべきです。
逆にいえば使用の過程で変化の少ないオイルもあるので一概にはいえませんが、安くても変化の大きいオイルは廃油の量が増える傾向を持つと思いますし、そうなればその分の手間も余分にかかります。
私が良いオイルをお勧めするのはそういった点から考えても「良い性能が長く続く」事が「0−1」などの確実に体感できるオイル添加剤でそのオイル寿命を更に伸ばせるといった効果も願うからです。
「0−1」にオイルとの相性というのは特別ありませんが、良いオイルを使用した方がベターという意味は寿命の点でもフィーリングの上でも重要だと感じる為で、初めて「0−1」を使用される方が「0−1自体の性能を評価したい」といった目的がある場合以外は「向上の為に折角の投資をされるならば、シントロン辺りを」とお勧めする訳です。
それでも、最初に「0−1」を使用するというと、やはり私もそうだった様に「0−1」でいつもの感じがどう変わるのか」というのはどうしても確認したいという気持ちが働くのも当然理解できます。でも、一度納得が行ったら次のオイル交換はシントロンでも使って見て下さいネ!
変化の少ないオイルというのは交換時機を捉えにくい事になりますが、通常オイルを替えるという行為には必ず改善を期待する部分がありますから換えてみて変化の感じられない事があればオイルの機能としては問題がなかった訳で、そのオイル交換は無駄だった事になります。
痛んでもいないオイルを交換する必要はないという事になりますが、変化を感じられる程の距離を走行しない、感覚的に自分で自信が持てない、敏感なつもりでいてもチョイ乗りが週一度程度が現実、などの場合には自分の体感を頼りにするのは辞めた方が良いでしょう。
そうなると「早めが安心」という当たり障りのない話に聞こえてしまうかも知れませんが、実際の車両はその車自体の性能とドライバーの癖によって相当違った結果が出ます。
例えば私も今回JVCSのテストの為にクラウンバンで丸1ヶ月程高速道路で毎朝60km、最高速域のテストを繰り返しましたが、シントロンは1万キロ無交換のままです。
普通はそんな無茶な事はしないと思いますが、シントロンはまだ大丈夫のようです。
「過信」のない範囲内で、判断して下さい。
ただ、今回のJVCSの最速域テストでATMには相当苛酷になったとみえて、3rdとODに違和感が出て来ました。ATFが高温の為にヘタったのか、ディスクの摩耗なのか、早急に確認した方が良さそうです。もともとメーカーの指示している最高速度は3rdで85キロ、ODで110キロです。
テスト中は3rdで「×20」キロ、ODで「×50」キロ出していましたから、もう無茶苦茶ですね。
ATFは1万2千キロ、ATMはリビルト積み替えから13万キロ、エンジンは新車から21万キロといえば、いつ壊れても不思議はない訳ですが・・・。
今後気を付けます。
「くれぐれも安全運転で!」が合い言葉ですからネ!(^^ゞ
GTX7は2000kmに満たない程度の苛酷ではない使用条件で茶色っぽくなりましたから、ここで出た色はオイル自体の持つ添加剤成分の劣化によるものと考えられます。「0−1」を使用していての話ですから相当早いといえそうです。
話のついでに、私がシントロンをオススメする理由。
それは、一言でいえば「良いものが比較的安価に入手できるというのが一番のメリットだ」と考える為です。
「どうして嶋本さんはカストロールを薦めるのですか?私はカストロールこそ安売りオイルだと思うのですが・・・。」
というメールを戴いた事があります。高い方が良いという人は普通誰も買わないようなレア物でも使用すれば満足するのでしょうか?
例えば Motul
は確かに評判が良いですし、確かに良いものでしょう。ただし、高価です。
また、例えば
Yaccoが良いという話も聞きます。でも、やはり高価です。
高価で良い製品というのは買う側にとって当たり前の事であって、「何をお薦めするか」という立場で利害に関係なく公平な見方をすれば
大前提として「高ければ良いのは当たり前」なんです。
私は車のメンテナンスについて、特に極めてマニア向けであったり、サーキット中心のメンテナンスとしてのコンセプトではなく
「車への気の利いた気配りの方法」としてこのページを進めています。
金銭的にも「より効果的な方法で」というのは保全を考える上でも重要なコンセプトの一つになると思います。
従って「より高価なもの」を選択する方法もあるといえばあるのですが、コストパフォーマーである事も必要だと思う訳です。オイル交換というものは常に付いて回る話ですからね、リーズナブルでないとオススメしにくいという事があります。
その中でカストロールのオイルは日常身近で入手し易く、しかも比較的品質の割にはホムセンなどでも安価に購入できるという部分に圧倒的なメリットを感じています。
世界最大のオイルメーカーを自負するカストロール社であればこそ、その知名度と販売力が安価な供給を実現していると考える訳ですが間違っているでしょうか?
「安売り」 結構な事じゃないですか!
値引きが無い事にそれ以上の意義などないと思います。何処へ行っても値引きの無い、価格の統制が徹底している製品を消費者が選ぶのは自由ですが、実際にはその製品を選ぶメリットは本来買う側ではなくて販売する業者側にあるものの筈です。
もう一つひねると・・・、
販売者側にそうしたメリットのある特定の独占物を購入する常連さんは、そのようなマニアックなショップでしか販売されていないブランドを選ぶという満足もあるかも知れません、それはまあ別の話として、「ここが聞きたい」という大事な話、総合的なメンテナンス・アドバイスが聞ける、というメリットはあると思います。それは「せち辛い話」に通じる仁義の部分の話です。世の中勝手な事ばかりが通用しないというのは勿論のことなので「ギブ・アンド・テイク」と割り切って考えろということもあるとは思います。シントロンが最高のオイルであって、これ以外は全てカスだとは一言もいっていません。ただ、そこそこ良質で安価というのは総合得点で優勝してもおかしくはないでしょう?といっているんです。
「安売り」に関しては「安売りオイルは大丈夫なのか?」にも少し触れていますが、ロットによって「不合格」であったものがディスカウントに並ぶのだとしても、その違いが商品の商標を汚すほどの劣悪性能である事は考えにくい。今のところ私はそう信じたいです。
ただ、私の処でもシントロンの4Lはお分け出来ますが、「まともなルート」で入荷する物なのでちっとも安くはありません。
4Lが6000円以下で入手できないという方はご相談下さい。シントロンで商売をする気はありませんが・・・。
仕入先に掛け合ってはいるのですが、安売り店との価格競争では到底たちうちできそうにありませんので、ごめんなさい。
「カストロ・マジック」という言葉もあるそうです。
買えば買うほど安くなる。
皆さんから津波の様なシントロンの注文が入ると安くなるのでしょうか?
でも、相当な量でしょうね。 (^^ゞ
>今となってはアリシンがありますから必要なくなった訳です、遥かに高級で優秀かつ安価にお届けしているオイルですからね。
カストロールは「安売りオイル」なのか、「事実安いオイル」なのか、その意味を考え直して見て下さい。