「よもやま話・49」
流速と内圧の考察
DSEでマフラーチューン(その3)
ここを理解しないとDSE排気チューンは迷路となります





オフサイトミーティング2008/11/16
オフ第5弾 三重「ぷちat リサパ」の検証内容に解説を加えようと思いつつ
その後も毎週オフが続いていて作業が遅れておりました。

その内容に関しては後日改めてこちらに加筆という形でご説明をするとして
先日行ったテストの結果からご報告をしたいと思います。



奇天烈キプント号です

キプント号のDSEマフラーチューンは
よもやま47でご紹介しています

上は右のページでご紹介した段階での
エキマニへのDSE−Sphere装着図
 (タマタマ一重巻き)

縮小写真で見えにくいかのですが
右は今回の作業で二重巻きに増量です

一連の排気DSEをより分かり易く捉えて頂くために結論を先に述べておきます

  1. エンジン本体側へオススメの潤滑をはじめとする各種DLUGワザを詰め込んで行くと
    発動の分母は次第に積み重ね効果で単純な加算をした結果となる・・・。
    ((アリシン=本当のレース用ウルトラ潤滑、プラグのインデクシング(SBC導入)、DSE、iDLUG、OZX1−2など))
  2. 発動の増幅がオリジナルの排気効率によって消化し切れずに便秘気味となった場合には、
    DSE系によるマフラーチューンが有効。
  3. ここでいう発動の分母を稼いだ結果としての相対的な便秘方向「低域で高トルクを発生する傾向」となるため
    省燃費型特性となりますが、それだけ「勝手に走って行く傾向」も強まり、
    エンジンはアクセル開度に対して濃厚な応答をするため、微妙で緻密なアクセル制御を要求する傾向となります。
    低域のトルクが物凄い割には高域のフケが悪い場合には次の手法を順に試します。
  4. 最初はここ 
    エギゾーストマニホールドの集合するフロントパイプとの接合部(フランジのエキマニ側・首ったま)へのDSE巻きは、
    エキマニからフロントパイプに向かう流れを整流する働きで後部に向かって排気を押し込むのを助けます。
  5. 上記エキマニ集合部へのDSEは他のどの位置への装着よりもそれ以降の排気管内圧を確保するために有効です。(重要)
    <<ターボの場合はここへの装着でターボ領域以下でのトルクを稼ぎ、更にタービンは早く、かつ低域が軽く回る体感を得ます>>
  6. エキマニ以降の排気管各部主に触媒、消音器や接合部に屈曲部といった全てが=いうなれば排気効率の悪化要因ですが、
    これら全てのポイントを潰すのが決して吉とは限りません
  7. DSEは想像以上の効力を発揮するために「抜けすぎ」となり得るためです。
    抜けるばかりが良い方向とは限りません、適正な内圧も確保して稼働領域全体をトータルでみて用途に応じたバランスを創り出します。
  8. 要注意「別枠」:
    リヤマフラーのタイコ後ろ=排気管テールエンド(一番後ろ)は全くの別枠で考えて下さい。
    これは明確な下痢状態の演出が一発逆転可能なキーポイントなので特に注意が必要です。
    DSE素材をココに使用した場合、ひときわ猛烈な効果を示すために内圧が一気に放出されて「ドバーっと抜けてしまいます」
  9. つまり下痢をしてしまいます
    留意すべき点は次の通りです、
    ・抜け確保による高域への突入変化が大きいので「吹けることだけで良いこと」のように錯覚をしていないか?
     これは往々にして吹けによって突入した高域が回っているだけでチカラはないことも多いため
    ・沢山回って発動を増幅しているのではなく沢山回るため「だけ」にエネルギーを発散している状態なのではないか?
     という点です。
    ・「回るとキモチがよい(^^)♪」というところはあると思いますが、それは程度問題であって
     日常的スカスカは丁寧なドライビングを培った手腕ですらも粗暴な方向へと誘い込む罠のようなところがあると思っています。


 20081223



さて、問題のキプント号
今回新たにエキマニの4−2−1”首ったま”へのタマタマ増量を試みたわけですが

その前に11/30リサパオフへ出向いた際には
よもやま47の装着部位に加えてリヤマフ後の出口直前に「DSEお札」をひとまき追加していました。
上記でいう 8)リヤマフのタイコ後ろのテールエンドです

この箇所への追加はキプント号のエンジン表情(性格)にとって非常に重要かつ大きな変化でした
ただし、今の話で早合点をしてはなりません
最後までじっくりとお読み下さい

アイドル域から一気にピークまで登り詰める最良のセッティング?
私としても嬉々としてここ数日間その状態を楽しんでおりました

11/30リサパご参加の殆どの方にご試乗を戴きましたが
無茶苦茶にぶん回る「スッカ〜ン!」というまさにスポーツっぽい吹けとその過激系で抜けの良い音・・・でした。
ギャ〜ン!ブァぁあンッ!エンジンも排気もその系統の音色でベ・ツ・モ・ノとはまさしくこういうことをいうと思います。

つまり、テールエンドへの装着で「豹変」です
(しかし、必ずココに付けるのが吉といっているのではありませんので、くkらぐれもご注意下さい)
(キプント号ルウブ・チューンドはココへのDSEが無しだと糞トルクの建設機械「重機」みたいな表情でした)




さて・・・
気を良くして♪

エキマニ首のタマタマを増量するとどうかな?
気になったので試してみました、まずはそのお話から・・・
改めて遮熱板を取り外してタマタマを更に一重追加:::


これでエキマニ首ったまのタマタマは2重巻き♪
-------------------------------->>>>>>>>>

走り出すといきなり驚きます、「ほぇ?」 (^-^); ?? すごいトルク・・・、つまりそれは低域のトルク
 またしてもそれは怒濤の重機のようなトルクが復活っ!!です。ここが注意です。。

アイドルから一気に登り詰めていたソレはテールエンドのお札を取り外したかのように
上昇途中でちょっとためらうようになりました((ようるすに、フケは悪化かも??))

そしてエンジン音と排気音は・・・
とっても静かで、どちらかというと太くて低い音になりました
いかにもトルク満々の感じ、フケ??ありゃ??

つまり・・・ (^^; まるで違うわけです

すっげぇトルク〜〜!!
これは、どうみてもやっぱり1.2Lのエンジンじゃないでしょぉ?
改めて驚愕のレベルです。

しかし、予想していた「自分勘定」の都合でいえば狙った方向から逆戻りのような結果で
咆哮のようだったまさしく凶暴な「ギャ〜ン!ブァぁあンッ!はまるで無し」・・・です。

(落ち着け、落ち着け・・・)

冷静に状況を読み取る努力を続けながらリサパ周辺を慎重にドライブ・・・
やっぱり、すごいトルクだ・・・アリエナイほどに・・・(驚っ)
更に全体のチカラが増えたのか・・・?どうなんだろう??

(落ち着け、落ち着け・・・)

このトルク感は更なるトルクの上昇か??・・・ホントにそうなのか??

そして、公正に現実を分析してみると:::

以前よりもパワーもトルクも上がった訳ではないのでは??と思えてきます。


中低域のトルクは明らかに太くなりました
しかし天井まで登り詰めるのは苦手のようで回転上昇は鈍くなっています・・・、

a) 首っ玉1重巻き+中間部位にも数カ所+テールエンドに砂利お札:::

b)
首っ玉2重巻き+中間部位にも数カ所+テールエンドに砂利お札:::


首っ玉にタマタマを1→2へ増設しただけでこの違いです。(最重要)


首っ玉への増設でエンジンのトルクが以前にも増して嵩上げとなったのか?
印象としてはそのようにも読めますが、どうもそうではない

ようするにバランスが崩れただけ・・・ほぼそういうことのようです。

テールエンドのお札を取り外してみると、更に怒濤の低域トルクが噴き出るように湧いてきます
これはこれでスゴイことで、これもまた面白い乗り味です。

一読しただけでは分かりにくい話だと思います
何度か読み返していただいて状況を把握して下さい・・・(ゴメンナサイ)



ちょっとややこしいですが、もう少し考察してみましょう
今の話で先日来のものと比較してみたとき

c) 首っ玉1重巻き+中間部位にも数カ所:::

d)
首っ玉2重巻き+中間部位にも数カ所:::


c-d では後者 d) の方が更に低域のトルクは増えているようではありますが、a-b ほどの違いではない。

c) のテールエンドにお札を付けた a) ではまるで性格が別(まるで気の短い凶暴な猛獣)となっているのに対して
最初を2重巻きにしたところ b) と c-d の差はあまり出ないという現実は
首っ玉への多重巻きはエンド方向での調整をやりづらくする傾向があることを示している
といえそうです。






方程式?


DSE排気チューンで迷路に入ってしまう場合があるとすれば
今の考察で少し光が見えてきた気がします。

DSEを装着した箇所は流動抵抗が減るという前提で考察を進めましょう、
この前提によって装着箇所での流速が上がる事により何か起こるのかというと:::

例えば穴の空いた風船に一定の圧力で空気を送り込んでいると喩えることにします)))
送り側の流速が上がると出口の穴から抜けてゆきながらも風船の膨らむ状態(これがトルク型)
または出口側の流速が上がれば風船の萎む状態(こちらは回転上昇型)を想像出来ると思います。


この喩えでいうと「入り口がエキマニで出口がマフラーエンド」です。

そこで・・・

  1. 排気管内の圧力が高い状態=トルク発生要件
  2. 排気管内の圧力が低い状態=回転上昇要件


このように理解出来ると思います。(まるで常識的な部分ですが);

さらにこの法則を解いて行くと・・・

エキマニ出口へDSEを装着すると、そこから後ろの内圧が上がりトルク型方向へ推移する
ここを無視してこれよりも後ろのポイントへ装着した場合にはその部分よりも後ろで内圧が上がる。
入り口側から中間部には何もせず出口だけにこれを装着した場合には「ヌケヌケ状態をも演出が出来る」
ということです。



最重要なのは、最もエンジンに近い吐き出し「エキマニ出口」=ここは猛烈な熱と流速です
つまりエキマニ出口は最も高効率でDSEが働くと肝に銘じて下さい。

この箇所へのDSE配備はこの部分の衝突抵抗を減らし
より勢いよく排気を吹き出すためにエキマニ以降の排気管内圧を上げます、
この部分へのDSE装着は排気要素への影響力としておそらく最大の効果を発揮します。

しかし、先ほどの b)
抜けを確保するために最大のポイントであるはずのテールエンドがそれでも役不足になっています。

それは腸閉塞に浣腸をしているようなことなのか?(的はずれ?)
それとも浣腸の液剤としてグリセリンが足りないか?どちらかでしょう。

沢山着けたらば付けただけ効く?

つまりバランスを崩したという解釈が正しく、
沢山装着したことで単純にエネルギーの分母が増加に働くとも限らず
直接的にはエネルギー倍加ではなく「特性の変化」が起こっているところは
オーディオでいうパラメトリック・イコライザーのような変化をイメージします。
(かえって分かりにくい表現になっていたらごめんなさい・・・)

ピークの領域がHi側へシフトすると全体のトルクが薄くなるような現象も起これば
Lo側の狭いレンジをより有効な領域となるように詰め込むと「低域で仕事を終わる」けれどもフケは鈍い
という特性にもなるわけです。

そして、無闇に一箇所への多重装着を行うと・・・
本当に効くからこそ、制御不能となる可能性も有ること(特にエキマニ)
ガッテンしていただけたでしょうか・・・。


まだまだうまく説明出来ていないような気がします。。。



取り敢えず、人間もクルマも
性格を育てるのは環境という要素も大切なようで・・・ :::  ちゃかちゃんりんちゃんりん♪〜 (^^;


つづきます



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